1.世界遺産白神山地とは  2白神山地森林生態系保護地域設定に至る経緯 
3.遺産地域決定の経緯 4.入山規制問題論争集  5.世界遺産登録から1年の新聞記事から 
6.管理計画見直しを求める署名運動の概要と結果  7.見直しを求める要請書全文  
8.白神を巡る真の問題は何か  9.白神に学び、白神とともに生きる


From the newspaper account in 1 from the world legacy registration
平成6年の新聞記事、保護内部で深刻な対立

「保存地区」入山で論議 秋田・青森双方に食い違い(1994.12.9 毎日秋田版)
「一体誰のための自然か。利用してこそ価値がある」(根深誠)
「結局山がゴミだらけになる。物見遊山は遺産地域の外側でしてほしい、自然観察はコア部分の周りでもできる」(鎌田孝一)

コメント:白神山地の核心地域を歩ける人たちは、沢登りや山岳渓流釣り愛好家たちである。彼らは少なくとも物見遊山的な一般観光客とは一線を画す存在だ。
 遺産地域の外側では満足できない健脚者に向かって「自然観察はコア部分の周りでもできる」と言っても納得できる輩ではない。いつまでも、小学生や一般観光客と同列に論ずるのは止めたらいかがか。
 もともと核心地域は、物見遊山や観光客の行ける場所ではないのたがら、わざわざ入山規制をしなくても、オーバーユースにはならない。
 その証拠に、太古以来、人間が自由に入山してきたにもかかわらず、貴重な生態系は保たれて、世界遺産にも指定されたのだ。
 登山道や林道の整備された緩衝地域の過剰利用と藪だらけのケモノ道しかない核心地域を混同した議論は、白神を全く知らない人たちには通用するかもしれないが、白神マニアには通用しない。もっと実態を把握した議論をしてほしいものだ。


白神山地立ち入り宣言「賛否」揺れる市民運動(1994.10.4朝日)
保存地区について、秋田営林局は当初から入山を禁止していたが、青森営林局は、地元の山菜採りやマタギに配慮して、入山を黙認してきた。保存地区は、ヤマメやイワナの穴場で、釣り人が多い。

・青森県側の意見
「白神山地を守ったのは、青秋林道を止めさせようとした市民運動だ。そこに入れないというのはおかしい」(根深誠)

コメント:そのとおり。誰も入山禁止にするために「青秋林道」の建設に反対してきたわけではないのだ。

「立ち入り禁止が自然保護の全てではない。ブナ林と人間との関わりが断たれる」(村田孝嗣)
「規制は必要かもしれないが、全面的な入山禁止は無意味だ」(写真家江川正幸)

・秋田県側の意見
「このまま入山を許し、保護状況が悪くなれば、世界遺産の登録を取り消されるという話もある」として、入山規制を強める意見が相次いだ。(9月22日、白神山地を語り合う会)

コメント:世界遺産という大儀名分だけが一人歩きしている。そこには、自然保護の理念や共生のかけらもない。
「登録地の外側にも素晴らしいブナ林がある。そこを観光や教育の場に利用すれば、生態系や世界遺産の意味を伝えられる」と規制に賛成(鎌田孝一)

コメント:観光や小学生たちの教育の場としては、登録地の外側で十分かもしれないが、白神愛好家たちには通用しない意見だ。
 簡単に言えば、登録地の外側は偽者に過ぎない。
 本物を体験しないかぎり、感激もなければ守ろうとする心も育たない。
 さらに言うならば、苦労するからこそ、その向こうに感激が待っているのだ。


世界遺産登録1年の白神山地 登山客3,4倍に急増、登山道数珠つなぎ(1994.12.8 朝日)
八森町がまとめた二ツ森コースの入山者数は12,500人。「昨年の3倍だが、実際にはもっと多いと思う」

コメント:二ツ森は県境稜線まで延びた青秋林道を利用し、稜線沿いを30〜40分歩けば楽に山頂に達する。
 登山というよりは、ハイキングコースといったところ。
 白神の核心部は、藪をかきわけ奥深いへ沢へ向かうコース。
 当然、日帰りは不可能であり、沢登りの技術も要する。
 それと同列に論じるから、混乱を招くのだ。


二ツ森登山道で、青森県側から保存地区を抜けてきた大学のパーティのメンバーと入山を巡って議論となった。「保存地区には入るべきでない」と話す指導員に対して「体験しなければ、良さはわからない」などと反論したという。

コメント:反論するのは当然、どんどん反論しましょう。

保護と活用どう調和 保存地区にも人影(1994.12.13 秋田さきがけ)
青森側から保存地区を通ってきた大学ワンダーフォーゲル部の4人に会った。「白神の良さは実際に見なきゃ、分からないでしょ」といわれ、言葉を失ったという。

コメント:自然保護は、頭ではなく体で感じるもの。

鎌田さんは、林野庁の保全管理協力員でもあり、保存地区にも出入りできるが「私も入って中を見たいが、そういう気持ちで出入りすると、示しがつかなくなる」

コメント:そんなに律儀に我慢しなくてもいいのに。やっぱり入山禁止は体に良くない。

保護運動の仲間に意見の対立(1994.12.20 朝日秋田版)
世界遺産地域の保存地区への立ち入りを巡って、かつて運動をともにした人たちの間に溝がある。最近、両者が雑誌の対談をしたが、意見は最後までかみ合わず、期待した対談とはいかなかったようだ。秋田県側のある保護団体関係者の一人は「(あいつは)だだっ子と同じだ」と突き放した。

コメント:「開発か保護か」という総論の時代はいいのだが、いざ保護といっても各論になるとやはり深刻だ。
 残念だが、これが現実、だからといって簡単に引き下がれない。
 白神は、それほど魅力的な存在なのだ。
 お互いに思い入れが強いだけに対立すれば、内部分裂した組織ほど激しく対立するのが世の常。
 私は秋田県に住んでいるが青森県の意見に全面的に賛成、当然秋田県側の規制論とは平行線のままだ。

明日に残そう緑の森 私の一言(1995.1.1読売)
「議論不足の感は否めない。過疎でなくなりつつある山里の生活をどうするのかという視点も含め、まず地元の意見をくみ上げて柔軟な制度を作るべきだと思う。絶対に人が入れないという論理は、ある事態を予想して先手を打つ日本の規制の典型的なパターンで賛成できない」(西木正明)

1.世界遺産白神山地とは  2白神山地森林生態系保護地域設定に至る経緯 
3.遺産地域決定の経緯 4.入山規制問題論争集  5.世界遺産登録から1年の新聞記事から 
6.管理計画見直しを求める署名運動の概要と結果  7.見直しを求める要請書全文  
8.白神を巡る真の問題は何か  9.白神に学び、白神とともに生きる

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