怪魚を追うPart1 怪魚を追うPart2 山釣り紀行TOP


若葉、ツツジ、カタクリ、カエル・サンショウウオの卵塊、カナヘビ、ワラビ、フキノトウ、
オオバキスミレ、アイコ、エゾエンゴサク、コゴミ、ミヤマカタバミ、エンレイソウ、ウド、イタドリ、ゼンマイ
 2006年5月下旬、今冬の豪雪は半端じゃなかった。
 お陰で崩壊した林道を延々13キロも歩かされた。
 もちろん林道を歩くウルトラ馬鹿は我々以外誰もいなかった。
 源流に生息する怪魚「頭のつぶれた岩魚」
 良く観察すると、上顎の巻き込みが若干少ない。
 正常な岩魚との中間種のような個体だ。
 この岩魚は、怪魚が棲む枝沢下流の本流で釣れた。
 ということは、頭のつぶれた岩魚の棲息圏は、
 源流枝沢から本流へと確実に拡大しているようだ。
 「この先工事中につき通り抜けできません」・・・
 怪魚が棲む谷へのアプローチは、桁外れに遠い。
 別の沢を目指すか迷った。
 やっぱり、諦め切れず三日分の荷を担ぎ崩壊した林道を歩く。
 いつもの車止めまで13キロ、4時間もかかってしまった。
 終わってみれば、二度と経験することのない林道ウォーキングも悪くはない。
 ブナの若葉
 フキノトウの開花が終わった白い綿毛。
 風が吹くと山吹雪のように舞い上がる。
 山村では、伸びた茎を塩蔵にして食べる。
 新緑とムラサキヤシオツツジ
 初夏を象徴する濃紅紫色の花は、一際美しいだけに、
 何度撮ってもついついシャッターを押してしまう。
 カメラ好きにとって撮る誘惑に駆られる代表的な草花だ。
 初夏の新緑を味わった直後、雪が解けたばかりの湿った斜面に
 早春の草花・カタクリの花が光に向かって満開に咲いていた。
 早春と初夏が入り混じった谷は、最も多様性に富む。
 アズマヒキガエルの卵塊
 孵化したオタマジャクシ
 クロサンショウウオのアケビ型の卵塊
 渓流ではなく、止水性の沼地に卵を産む。

 サンショウウオ属の卵は、カエル類の卵とは明らかに違う。
 エゾサンショウウオ、トウホクサンショウウオはコイル型の卵塊、
 ハコネサンショウウオはヤマブドウ型をしている。
 落葉が大量に降り積もった沼地の卵塊
 これは何の卵だろうか?
 知っている方がおられましたらご一報願います。
 ニホンカナヘビ
 山地から平地まで普通に見られるトカゲの一種。
 体型が細長く、尾が長い。
 体色は、艶のない褐色。
 薮や草むらに棲み、小さな昆虫やクモなどを食べる。
 危険な目に遭うと、自ら尾を切る。もちろん尾は再生する。
 ワラビ・・・ワラビ採りの始まりは、一般に5月中旬頃から。
 今年はやたら遅く、まだポツリポツリと顔を出したばかりだった。
 林道をただ歩くだけではつまらないので、少しづつ採取しながら歩く。
 テン場では、焚き火の灰でアクを抜く。
 奥に入るに連れて森は、残雪と萌黄色の新緑に染まっていた。
 長い、長い林道歩きで、疲れはピークに達していたが、心は軽くなる。
 旧車止めに着いたのは、昼過ぎ。
 それにしてもよく歩いたもんだ。
 アッちゃんは、慣れない林道歩きで足指の皮が剥けてしまったほどだ。
 昼食、テント設営、ブルーシート張り、薪集め・・・
 今晩のオカズ調達に向かったのは午後3時。
 釣る時間はわずか1時間半ほどしかない。
 谷に下りて、清流に竿を出す。疲れもどこかへすっ飛ぶ。
 残雪とフキノトウ・・・初夏でも残雪が至る所に見られ、早春の草花も堪能できる。
 オオバキスミレ・・・多雪地帯の日本海側に自生する黄色のスミレ。
 沢沿いの湿った斜面に大きな群落がいくつも見られた。
 葉や花はおひたしや天ぷらにして食べる食用種。
 沢沿いに自生していたアイコ(ミヤマイラクサ)
 釣りは仲間に任せ、今晩の野菜に
 アイコ、シドケ、コゴミ、ホンナ、ヤマワサビ、ウドを採る。
 エゾエンゴサク・・・雪が解けたばかりの沢沿いに大きな群落を形成していた。
 淡い青紫色の群れは、清楚で美しい。
 コゴミ(クサソテツ)
 日当たりの良い斜面では、葉が開き、とうに旬を過ぎている。
 一方、雪解けの遅い場所では、葉が開く前の旬のコゴミが群生している。
 ミヤマカタバミ・・・白の花弁は5個、紫色の筋が美しい。
 シュウ酸を含むので多食は避けたい。
 エンレイソウの花のアップ。
 奇妙な形をした花は、宇宙人や得体の知れない昆虫のお化けのようにも見える。
 それだけに、草花の多様性を感じさせてくれる。
 釣りはわずか1時間余りだったが、何とか夕食分をキープする。
 しかし、近場だけにサイズに不満が残った。
 岩魚の腹部は橙色に染まり、居着きの特徴をよく示している。
 右の個体はまだ黒いサビがとれていない。
 旬のウド
 ナイフを取り出すのが面倒で、根際から折り取る。
 若く太いウドは捨てるところがない。
 根の白い部分は生味噌で食べる。
 茎は皮を剥いて煮物や味噌漬け。
 葉先は天ぷら、皮はきんぴらにすると美味い。
 イタドリ(スカンポ)・・・節のある中空の茎は、皮をむいて生でも食べられる。太い茎は、皮をむいて薄切りにし、塩もみしてからサラダに利用する。塩茹でにすれば、酸味が抜け、和え物や煮物、鍋物にも利用できる。
 左:大量の残雪を抱く枝沢の中央に立つと、まるで冷蔵庫の中にいるような冷風を浴びる。
 右:目に眩しいブナの新緑
 焚き火の周りに岩魚と多彩な山菜料理が所狭しと並ぶ。
 雪代の流れで冷やした缶ビールをコップに注ぐ。
 ゴクッと飲めば、五臓六腑に染み渡る美味さ。
 この世にこれ以上の贅沢があるだろうか。
 林道13キロを歩く馬鹿な行動がなければ、決して得られない極楽の世界・・・
 山は苦労した分だけ感激も大きい。
 二日目の朝、今日も快晴。
 絶好の撮影日和に恵まれた。
 茹でたゼンマイを取り出し、天日に干す。
 朝食前、カメラと三脚を持ってしばし散歩。
 新緑の若葉が渓に張り出し
 底まで透き通る流れが白波を立てて流れ下る。
 本日のメインは、杣道を辿り怪魚が棲む源流へ・・・。

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