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秋田市の某ホテルでブラックバスを料理してもらい、仲間に食べてもらう絶好のチャンスが訪れた。湿地と干拓の利活用を発表する研究会、その会場では、環境保全との調和が大きな議論の的になった。意外にも、人間が作った干拓に、ブラックバスが大量繁殖しているが、これも二次的な自然か、という質問も出たほどだ。その夜の情報交換会、美味しそうな料理が居並ぶテーブルの最前列に、私が釣り上げた「八朗湖産のブラックバス」が並んだ。 |
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乾杯の後、私がブラックバスの解説をしながら試食を促した。「ブラックバスは、もともと八朗湖には生息していませんでした。ところが、20年程前に、初めてバスの生息が確認されて以来、猛烈な勢いで大繁殖しています。バス釣りの人たちは、釣っても食べずにリリースするだけ。これでは、八郎湖もバスだらけになるのも当たり前です。ぜひ、皆さんもバスをどんどん釣って、食べてほしい」。「どうですか、美味いですか」「食えないと思ったが、全くクセがなく淡白な魚だね」・・・出席した人たちは、次々とブラックバスのフライを酒のツマミに食べてくれた。感謝!感謝! |
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9月8日、渓流用のルアー一式でバスが釣れるかどうか試してみた。ロッドは、予備で使っている2本継ぎの柔らかい渓流用ロッド、リールも1.5号のラインを巻いた渓流用。こんな仕掛けでは、一見バス釣りには、余りにもひ弱すぎるように思ったが・・・。ワームは、4インチの白系。ワーム用の針は、ドリームフック15・1/0。ガン玉は、2B程度を使用した。 |
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アシは、ご覧のとおり、背丈の倍ほどもある。密生したアシのジャングルとでも呼びたいような状態で、今日もオカッパリの姿は一人見たのみ。おいしいポイントは、右の写真の捨石から投げたのでは届かない。胴長を履いて、腰上まで達する位置が最高の釣り場だ。 |
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アシ原の前に出るとご覧の通り。アシの先から1mほどでカケアガリとなっている。水面下で見えないが、バスの気配は至る所にある。まず、軽く第1投。安物の硬いバスロッドと違って、渓流用の1万円弱のロッドは、柔らかく飛ばすにも、アクションを加えるにも、自然な動作が実に簡単だった。2回ほどアオッタラ、すぐさまアタリが出た。そのアタリの感触も明確、柔らかいだけに竿は折れるかと思うほど円弧を描いた。これがまた細糸のラインを柔らかい竿がカバーしてくれるからたまらない。最高の釣り味だった。 |
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次々とバスはヒットしたが、水面に顔を出させるまでは、難渋した。しかし、その分バスと遊ぶ時間は長い。不思議なことに、これまで何度もバラしたバスを一度もバラスことなくキャッチできた。渓流用のロッドは、40cmクラスのバスなら十分威力を発揮することが証明された。 |
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大漁、大漁・・・。左の赤い網袋が一杯になり、2つ目の網袋が右の写真だ。こんなに簡単に釣れるということは、釣り人を遥かに上回るほど魚影は濃いという証明だろう。どんな釣りでも、車から降りてすぐの釣り場で、こんなにやたらに釣れる魚は見たこともない。 |
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下が39cm、上が35cmのブラックバス。ちょっと写真は小さいが、下のバスの横の口を見てください。赤く腫れ上がっているのがわかりますか。これまでどれだけのバサーに釣られ、リリースされ続けてきたのだろうか。このバスは、アシすれすれのポイントへ投げたら、アクションを加える前にワームに食らいついた。見事なファイトを見せてくれたが、手元に寄せると手を返したように大人しくなった。リリースされるクセがついているのか、大物ほどその豹変ぶりは見事だった。 |
家の中が、生臭くなるほどバスだらけ。バスは、生きていても生臭さは天下一品だ。3枚におろし、皮を剥ぐ作業を数十匹も繰り返せば、誰だってうまくなる。何事も頭ではなく、実践が一番だ。調理したバスの白身は、ラップに包み冷凍庫に保管した。
渓流ルアーの道具が、全てバスに転用できることを初めて知った。これまで渓流釣りが終わる10月ともなれば、早くも冬眠だったが、今年は釣りのシーズンがかなり延びるだろう。釣りは、魚を釣って終わりではない。生きたまま保管し、旬の素材を楽しく料理・・・それをツマミに一杯やりながら、釣りの一日を振り返って初めて完結するのだ。皆さんもぜひキャッチ&クッキングを実践してみてください。楽しみが倍増すること間違いなし。 |