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いただき写真館3 写真・情報提供:札幌市在住 升田 正さん
 道南の沢、着色斑点を持つニッコウイワナ

 「北海道にもニッコウイワナが生息していた」という衝撃的な写真が、札幌市在住の升田さんから送られてきた。1995年から北海道日高の源流に毎年遠征しているが、着色斑点を持つニッコウイワナを見たことがなかった。着色斑点があるイワナと言えば、全てオショロコマだった。だから北海道のイワナと言えば、無着色斑点のエゾイワナだけと頑なに信じていた。上の個体は、側線より下に鮮やかな橙色の斑点がはっきり見える。前ビレ、腹部が柿色に染まる居付きのニッコウイワナであることは間違いない。道南の限られた水系にのみ生息する着色斑点のイワナ・・・ニッコウイワナの北限として貴重な地域個体群と言える。
 無着色斑点のエゾイワナ39cm

 アメマス系とは言え、日高のイワナと比べれば、斑点の大きさが著しく小さく、どちらかと言えば、東北のイワナに近い個体のように見える。1980年久保氏が作成したイワナの分布図を見ると、アメマス、ニッコウイワナ、ヤマトイワナ、ゴキの4種の分布域が重複することなくはっきり区分されている。この当時の誤りは、4種を全く別の種に分類することに固執する余り、これらの種が互いに重複・混生している事実を無視している点、さらに、北海道はもちろん、東北もアメマス型のみでニッコウイワナは生息していないイワナの分布図になっている点だ。
 側線より下に薄い橙色の着色斑点が見える。エゾイワナとニッコウイワナの中間種といった印象を受ける個体だ。

 升田さんのコメント「この河川では橙色の斑点があるものが約30尾に1尾の割合で釣れます。この日は二人で4尾の朱点のある岩魚を釣り上げる事ができました。私が知っている限りでは今は保護水面となっている石崎川、そして、この河川を含め、3河川しかありません。個体差とは思いますが、この資源が絶えない事を願わずにはいられません。」
 ブナの北限が道南ならば、ニッコウイワナの北限も道南・・・何の不思議もないように思えてくる。しかし、ごく一部の河川、しかも限られた流域にしか生息しないという事実を考えると、「岩魚の謎」は深まるばかりだ。

 道南にニッコウイワナが生息するとの報告はあるのか、文献をいろいろ調べてみた。するとやっぱりあった。今から10年ほど前、1990年「後藤らによると、道南の一河川で、黄色や橙色の斑点を持ったニッコウイワナ型が生息しているのが確認された。この川では、海に降りるアメマス型も見られる」と記載されている。ところが、この発見をほとんどの釣り人は知らなかったはずだ。

 そのいい例が1992年に調査した白石勝彦著「イワナの顔」にある。「北海道南部に幻のオショロコマ伝説を追う」・・・道南の河川にオショロコマが生息しているとの噂が絶えず、その真偽を確かめようと道南にやってくる。そこで出会ったイワナは、何とオショロコマではなくニッコウイワナだった。白石勝彦氏は「北海道にいるはずもない着色斑点の岩魚をついに釣ったのだ。これは事件である。」と驚嘆している。地元の人はオショロコマもニッコウイワナも見たことがないから、着色斑点のあるイワナを見て「オショロコマ」と勘違いしたようだ。・・・道南にニッコウイワナが生息している事実が世に知られたのは、つい最近のことに過ぎない。それだけに、升田さんの写真は、実に貴重な写真だ。しかも、いずれの個体も生き生きとしたイワナの表情がはっきりと写しだされている。こうした写真は、「イワナの謎を追う」情熱がなければ、決して撮れるものではない。快く写真を提供いただいたことに深く感謝したい。
 アメマス系イワナとニッコウイワナが混生する渓・・・ブナの森と渓、黒光りした岩肌の感じが若干違うくらいで、どこか東北に似た渓相だ。
 「下流に入る最大の支流、上流部でこの日は笹濁りでした。水の澄んだ日でも底が見えない深さのこの地点では、かつて50〜60cmの岩魚が生息していました。両側の岩肌が迫り、200〜300mも続くこの難所は若い頃、3度渉りきった事がありますが、今では少し勇気が足りません。」
 「近年ニジマスが放流され、巨大魚はおろか、小型の岩魚でさえ、その数が極端な減少傾向にあります。安易な外来魚の放流が、かけがえの無い財産を失った見本でもあります。この支流の様に、最上流の朱点を持つ岩魚が生息する支流にニジマスが放流されない様にただ願うばかりです。」・・・北海道では、未だに在来のアメマスやオショロコマを軽視し、ニジマスやブラウントラウトといった国外からの移入種を珍重する釣り人が多いように思う。こうした中、升田さんのように、「在来種が主役」と考える北海道の釣り人がいることを大変心強く思う。
 トウギボウシ・・・日本海側の山地に生える多年草。よく庭に観賞用として植えられているのをみかけることがある。
「大岩魚の扉」シリーズ
升田さんから北海道・2202年春にいただいた写真集です。
 「大岩魚の扉2」・・・道南Y川、タイトルにふさわしく、両岸屹立する絶壁が極端に圧縮された函は、まさに神秘の扉のように見える。この奥へ入ってみたい・・・。岩壁をじっと眺めていると、人や得体の知れない妖怪の顔のようにも見え、お互いに左右で睨み合っているようにも見える・・・不思議な水の造形美だ。増水したら、大岩魚とごろか、恐ろしい地獄と化すに違いない。
 「大岩魚の扉3」・・・R川支流、かつて、この上流のプールでは60センチの大岩魚も出たという。今では、昔日の面影がなくなりつつあるが、「底知れぬ深さの大渕は今も巨大魚の予感を感じさせずにおかない」とのこと。渓に張り出す河畔林、苔生す岸壁、岩、身を切るような流れ・・・確かに大岩魚の予感が漂っている。
 大岩魚の扉(升田さんのコメント)

 2日間岩魚釣りに出かけてきました。もっとも僕はビデオばかり撮っていて、竿を出したのは1度きりでしたが・・・。

 1日目は山女の解禁日でしたので駐車地点には、案の定2台の車が停まっていました。夜明けに話をしてみると、1台は山女釣り、もう1台は岩魚釣りの3人グループでした。山女釣りは上流の砂防まで。岩魚釣りのグループは砂防上流の本流を希望しています。、我々は支流の希望なので全員(9名)問題なく、沢割ができました。

 これは非常に珍しい事です。通常の解禁日となれば、場所によっては我先に歩き出し、釣りにならない事もしばしばです。マナーの良い人たちと会って、その日は気持ち良く釣りが出来ました。ただ、この川で岩魚釣りの人と会うのは初めてで、徐々に釣り場が知られている事を感じました。
 今年は春が早く、いつもより釣り人も早く入ったようです。尺岩魚に出会えるまでには、例年よりかなり上流まで足を伸ばさなければなりませんでした。それでも、37cmを筆頭に尺以上は6尾見ることができました。

 渓流天国と言われた北海道も、大岩魚に限ってはその看板を下ろす日も近いかも知れません。
 三段の滝(升田さんのコメント)

 小滝の川は2日目で、あいにく雨模様でした。短い距離ながら変化に富んだ溪相で、かつて40cmオーバーも出たのですが、釣り人に知れ渡り、ここ数年は小物ばかりです。
 フキユキノシタ(サワブキ)・・・清冽な湧水が滴る斜面、飛沫に濡れたフキユキノシタの群生は、心まで潤うような印象を受ける。深山の谷川沿いに生え、葉の縁には三角状の鋸歯がある。
 アオダモの木・・・和名は枝を切って水につけると、水が青くなることから名づけられた。山地に生え、高さ5〜15mになる。4〜5月、小さな白い花を多数つける。バットや、器具に使われ、伐採が進んでいる木のひとつとのこと。

升田さんへの意見感想

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