山釣りの世界TOP

 燻製、それは煙の魔術。飴色に輝く魚体、芳香な香り、独特の味覚・・・。釣ったイワナに敬意を表する調理法は、何と言っても燻製である。
 かつては、どこの家でも燻製は、ごく当たり前の保存兼調理法だった。囲炉裏の上に川魚やダイコンを吊るし、煙で何日もいぶしたものだ。だが、囲炉裏が消え、冷蔵庫が出現すると、太古の昔から受け継がれてきた燻製は、すっかり日常生活から消えてしまった。今や燻製は、こだわり者の世界、最も優雅にして贅沢な調理法だ。凝ればキリがないので、ここでは最も簡単な燻製の方法を紹介する。
 燻製の手順 塩漬け又は漬け込み液に浸す→塩抜き→水切り→風乾→燻製
 自分で釣り上げたイワナを最も美味しくいただく方法は、やはり「燻製」だろう。山釣りならば、焚き火の遠火でじっくり一晩焼けば、野趣あふれる最高の燻製ができ上がる。保存もきくので、移動日には、燻製イワナを新聞紙に包み、昼食時にいただく。山では最高のごちそうになること間違いなし。上の写真は、市販のスモークカンで作った燻製完成品。
 自宅で燻製にする場合は、最低二日間を要する。それだけに、いつでも簡単にというわけにはいかない。それでも大釣りした時など、年に一回くらいはやってみたくなる(乱獲を慎むため、年一回程度は許される範囲だろう)。そんな時は、釣り上げたイワナの腹を裂き、内臓、エラ、血合いを取り除く。フリーザーバッグ大に入れてから、たっぷり塩をふり、汁がこぼれないよう二重に包み持ち帰る。次の週末まで冷蔵庫にねかす。
 週末になったら一日目は、大きなボールに水をたっぷり加え、塩抜き開始。この場合、少々の塩を入れると早く抜ける。数回、水を入れ替える。数時間後、好みの塩加減になったら、キッチンペーパーなどで水気をよくふきとる。次にタコ糸とパンツのヒモを通す大きな針で、胸ヒレ付近から口に向かって縫い通し、S字フックに吊るすタコ糸の輪を作る。腹部は乾きやすいように、爪楊枝を半分に折り、腹を開くように3ヶ所ほど刺し込む。室内に吊るし、扇風機で一晩風乾する。風乾に時間をかけることがコツ。翌日、干物に近い状態のイワナを市販のスモークカンで2〜3時間ほど燻せばOK。
 清冽なシャワーが降りしきる深山幽谷に住むイワナ。北の山村では、昔から保存と美味を保つ調理法として、燻製の方法が代々引き継がれてきた。  釣ったイワナは、その場で内臓、エラ、血合いを取り除き、できるだけ新鮮さを保つのがコツ。そのためには、早春の一時期に限られる。燻製をするために、釣りすぎだけは厳に慎みたい。
 萱葺き民家の内部には、囲炉裏があり、燻製の伝統は今でも生きている。これも失われゆく素晴らしい食文化だ。  天然塩や自分だけの漬け込み液に浸して、一晩冷蔵庫に寝かす。流水に浸し二時間ほど塩を抜く。風乾は、長いほどいい。悪天候の時は、室内に吊るし扇風機で乾燥させる。
 風乾、4時間。表面が乾き、干物に近い状態がベスト  市販のスモークカンを使えば、誰でも簡単にできる。チップは、ナラやヒッコリーなどの広葉樹が最適。ガスコンロの上に乗せ、最初は強火で、チップから煙が出たら、トロ火にして約二時間。温度を高くしないのがコツだ。
 スモーク二時間後。燻製にした魚体と芳醇な香りはまさに芸術品。しかしながら、燻製が完成するまで二日間を要する。こだわり者だけが味わうことのできる一品だ。  究極の手作り保存法は、燻製にしたイワナを真空パックにする方法。こうすれば、冷蔵庫で半年間は保存できる。

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