自分で釣り上げたイワナを最も美味しくいただく方法は、やはり「燻製」だろう。山釣りならば、焚き火の遠火でじっくり一晩焼けば、野趣あふれる最高の燻製ができ上がる。保存もきくので、移動日には、燻製イワナを新聞紙に包み、昼食時にいただく。山では最高のごちそうになること間違いなし。上の写真は、市販のスモークカンで作った燻製完成品。 |
自宅で燻製にする場合は、最低二日間を要する。それだけに、いつでも簡単にというわけにはいかない。それでも大釣りした時など、年に一回くらいはやってみたくなる(乱獲を慎むため、年一回程度は許される範囲だろう)。そんな時は、釣り上げたイワナの腹を裂き、内臓、エラ、血合いを取り除く。フリーザーバッグ大に入れてから、たっぷり塩をふり、汁がこぼれないよう二重に包み持ち帰る。次の週末まで冷蔵庫にねかす。 |
週末になったら一日目は、大きなボールに水をたっぷり加え、塩抜き開始。この場合、少々の塩を入れると早く抜ける。数回、水を入れ替える。数時間後、好みの塩加減になったら、キッチンペーパーなどで水気をよくふきとる。次にタコ糸とパンツのヒモを通す大きな針で、胸ヒレ付近から口に向かって縫い通し、S字フックに吊るすタコ糸の輪を作る。腹部は乾きやすいように、爪楊枝を半分に折り、腹を開くように3ヶ所ほど刺し込む。室内に吊るし、扇風機で一晩風乾する。風乾に時間をかけることがコツ。翌日、干物に近い状態のイワナを市販のスモークカンで2〜3時間ほど燻せばOK。
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清冽なシャワーが降りしきる深山幽谷に住むイワナ。北の山村では、昔から保存と美味を保つ調理法として、燻製の方法が代々引き継がれてきた。 | 釣ったイワナは、その場で内臓、エラ、血合いを取り除き、できるだけ新鮮さを保つのがコツ。そのためには、早春の一時期に限られる。燻製をするために、釣りすぎだけは厳に慎みたい。 |
萱葺き民家の内部には、囲炉裏があり、燻製の伝統は今でも生きている。これも失われゆく素晴らしい食文化だ。 | 天然塩や自分だけの漬け込み液に浸して、一晩冷蔵庫に寝かす。流水に浸し二時間ほど塩を抜く。風乾は、長いほどいい。悪天候の時は、室内に吊るし扇風機で乾燥させる。 |
風乾、4時間。表面が乾き、干物に近い状態がベスト | 市販のスモークカンを使えば、誰でも簡単にできる。チップは、ナラやヒッコリーなどの広葉樹が最適。ガスコンロの上に乗せ、最初は強火で、チップから煙が出たら、トロ火にして約二時間。温度を高くしないのがコツだ。 |
スモーク二時間後。燻製にした魚体と芳醇な香りはまさに芸術品。しかしながら、燻製が完成するまで二日間を要する。こだわり者だけが味わうことのできる一品だ。 | 究極の手作り保存法は、燻製にしたイワナを真空パックにする方法。こうすれば、冷蔵庫で半年間は保存できる。 |
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