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山釣りの世界を撮る・・・尺上イワナ、山菜、新緑、山野草、入れ食いの世界、春ヒラタケ
▲苔岩を落走する「原始の水」
2010年5月中旬、6名のパーティを組み、今年初めての山釣りへ
ブナの渓畦林に包まれた岩魚谷は、被写体が非日常の美にあふれている
しかし、日帰りの釣行では、三脚を据えて撮影する時間的余裕は全くない

2泊3日の山釣りともなれば、非日常の美にじっくり向き合うことができる
軽量コンパクトなデジタル一眼レフを首に下げ、イワナを追いながら「足で撮る」
撮影した枚数は約700枚・・・数さえ撮れば必ず当たる・・・そのことを改めて実感させられた
▲渓流は被写体の宝庫
春一番ともなれば、立て続けに尺イワナを釣る絶好のチャンスでもある
しかし、山釣りの世界は、イワナを釣るだけで満足できる世界ではない
新緑、清流、渓谷美、イワナ、山菜、山野草・・・「撮ってくれ」と叫ぶ声は途切れることがないからだ
▲尺イワナの活け造り
幸い尺イワナは5、6本、うち最大は32cm
こんなことは滅多にないだけに、源流のメインデッシュ・尺イワナの活け造りに挑戦
料理が完成したのは薄暗い夕方・・・野趣あふれる料理をどう撮るか・・・これまた楽しいひととき

残念ながら初日は、一日中冷たい雨にたたられた
二日目の朝になると、昨日の雨が嘘のように晴れ上がり、峡谷に眩しいほどの光が降り注ぐ
この落差が大きければ大きいほど、新緑の谷は一層輝いて見える

澄み切った青空と新緑・・・その樹上360度から鳥の囀りが聞こえてくる
鳥たちも待ち望んでいたに違いない
雪シロの音に負けまいと、歓喜の大合唱を繰り返す
▲沢筋一面に山ワサビ田が広がる風景・・・ここは山の幸の宝庫
▲昨日の雨と雪シロで増水した渓を釣る
水量は普段の倍以上・・・川を渡るのも難渋するほどの雪シロだ
幸い雨上がりの谷は、イワナが無警戒に等しい状態となる

釣るポイントは極端に少なくなるものの、良型イワナは順調に釣れた
そのイワナのサイズを見れば、「春一番」の釣りであることが分かる
▲萌黄色に染まり始めたブナの森
▲水の風景ベストポイント
左岸から清冽な瀑布となって流れ込む美しい枝沢がある
岩は分厚い苔に覆われ、いつも聖なる瀑布に目を奪われる
さらにその周囲を白いワサビの花が彩る季節は、最も美しい

「水の風景」の撮影には絶好のベストポイントの一つ
翌朝、軽量コンパクトな三脚(SLIK SPRINT MINIU重量780g)を据えて、じっくり撮影を行った
(PLフィルター、NDフィルターとも不使用)
▲カタバミの若葉
背景のゴーロが適度にボケ、カタバミの瑞々しい若葉が際立つ
清流の飛沫を浴びて、白花が満開になると、その美はピークに達するだろう
▲ウド ▲ホンナ(ヨブスマソウ) ▲アイコ(ミヤマイラクサ)
▲山ワサビ ▲シドケ(モミジガサ)  ▲山菜を採る 
今回のパーティは6名・・・全員が竿を出したのでは釣りにならない
効率的に釣り上がるには、2〜3名にとどめるのが原則
残りは、釣ったイワナを網袋に入れて生かしたまま運ぶ人、

山菜を採る人、写真を撮る人にそれぞれ役割分担をしながら遡行する
新緑の谷の楽しみは、何もイワナを釣るのみにあらず
▲春一番の御利益・尺上イワナ32cm
▲尺上イワナが釣れたポイント
左の写真が尺上イワナが釣れた小滝の大壺である
アッちゃんは、最初、右の深くて大きいポイントで粘っていた
良くみれば、左から小沢が流入している・・・こういう場合は、決まって枝沢合流地点に大物が潜む

「左を狙った方がいい」・・・ほどなく尺上イワナをぶら下げたまま追い掛けてきた
見れば、鼻曲がりの精悍な顔をしたオスイワナ・・・春一番の証に尺イワナ連発の予感が走る
▲ブナの新緑 ▲ワサビ田に顔を出したウド
▲エンレイソウ
右の二つの写真は、花を守るように開いた3枚のガクのアップ
中央は、一般的な形だが、右は人の顔にも見える
よく見ると、覆面をした盗賊のようなオモシロイ形をしている・・・これも自然の造形美の一つ
▲シラネアオイ・・・まだわずかしか咲いていない ▲エゾエンゴサク・・・源流部には大きな群落をつくる斜面が数カ所あった ▲ニョウサク(エゾニュウ)・・・真ん中の芯はクマの大好物
▲ニリンソウ ▲スミレサイシン ▲オオバキスミレ
春告げ花から初夏の草花まで鑑賞できるのはありがたい
特に印象的な花園は、枝沢の緩い斜面に咲いたエゾエンゴサクの大群落

柴ちゃんが言った・・・「死ねば、こういう所歩くんだべなぁ〜」
「んだな、でも、生きているうちにこんな極楽浄土を歩けるのは幸せもんだなぁ」
▲下流部に咲いていたカタバミの白花
右下の写真のとおり、踏跡沿いの両岸に大群落を形成し、
まるで「カタバミロード」を散歩しているような気分になる・・・やはり草花ロードを歩くのは楽しい
わずかな淀みにエサを送り込む
すかさずアタリが返ってくる・・・竿はしなり、岸辺に引きずり込む
丸々太った泣き尺のイワナ・・・刺身、イワナ寿司には最高の食材である

仲間の釣りを見ていると、釣り方には二つのタイプがある
大場所で粘るタイプと、1匹釣ればサッサッと移動する「足で釣る」タイプ
解禁から雪シロ期までは、そのどちらでも釣れるからややこしい

しかし、雪シロが終わりイワナの最盛期を迎えると、大場所で粘るタイプは苦戦を強いられる
なぜなら、イワナは大場所から瀬に移動するからだ
年間を通して言えることは、イワナ釣りは「足で釣る」ことに尽きる
▲滝上の残雪
▲旧イワナ止め滝:三段滝 ▲滝を大高巻きした所で昼食
上るに連れて次第に両岸が狭くなり、ゴルジュの奥にイワナ止めの滝が懸かっている
昔、イワナ釣りの好きなマタギがこの滝上に移植放流したのだろう
場所は特定していないが、この水系の沢々に移植放流した話を何度か聞いたことがある

滝を越えると、渓相は一変、平坦で穏やかな流れが続く・・・まるで別世界だ
▲入れ食いの世界
9寸〜尺前後のイワナが入れ食いともなれば、釣り人は、有頂天となる
「俺は名人だ」・・・と錯覚してしまう

そもそも「釣りバカ」という人種は、「錯覚」の天才のようなものである
だから「錯覚」と分かっていても憎めない
ただし、日帰り領域を超えた険谷まではるばるやって来なければ、このドラマもあり得ない
▲滝を越えた源流部は山ワサビの楽園
特に右岸の斜面を埋め尽くすように群生する山ワサビの群落は圧巻
延々と白花が咲き乱れるワサビ田・・・その斜面沿いを歩く
谷底から流水音とともに、マイナスイオンが舞い上がって気分は爽快となる
▲平坦な流れから、次第にゴーロとなる ▲丸々太ったイワナ ▲階段状ゴーロの傾斜がきつくなると魚止めも近い
▲残雪の渓を釣る
▲咲き始めたキクザキイチゲ ▲9寸〜尺サイズのイワナ ▲源流部のブナは、今だ芽吹かず灰色の世界
高度が高くなると、春から早春の風景へと一変する
春の山釣りは、季節の劇的な変化を同時に味わうことができる点がオモシロイ
▲春のキノコの代表「ヒラタケ」を採る  
新緑の季節は、山菜だけでなく、きのこ(ユキノシタ、ヒラタケ、シイタケ、サワモダシ)も生える
だから沢筋の風倒木も丹念に探ることも肝要
雪国の恵み・・・山菜&きのこの味噌汁は最高に美味い

新緑の谷の恵み、山釣りのクライマックスをどう撮るか
山釣りの楽しみは尽きない・・・(つづく)

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