山釣り紀行TOP


イワナ、カタクリ、キクザキイチゲ、エンレイソウ、マンサク、エノキタケ、エゾエンゴサク、クマの足跡、木穴、山ワサビ・・・
2010年4月24日、小玉さんと二人で再び日本海に注ぐ渓に向かう
予報はまたも曇り・・・山なら雨も覚悟せねばならない
しかし、一転予報は外れ、今年最高の天候に・・・EOSkiss X3を首に下げ実写テストを繰り返した
カタクリの花、山ワサビの小さな白花も、早春の柔らかい陽射しを浴びて咲き始めた
今年は冷害の年ではないかと囁かれるほど、異常な寒さが続いている
それだけに春告花の風景は、いつになく暖かさを感じる風景である
▲冬眠から目覚めたクマの足跡
雪深い源流部、今年のクマはまだ目覚めていないだろうと思ったが・・・
大きなクマの足跡が渓流沿いの雪面に点々と刻まれていた
遅い春の訪れをクマも感じていることに、何となく嬉しくなる
林床に光のシャワーが降り注ぐ・・・気分は最高である
足取りも軽く、急斜面を下り、深い谷底に降り立つ
二週間前の分厚い雪渓も大分解け、実に歩きやすい
流量は、雪代最盛期の半分程度にまで減水していた・・・釣りには最適の条件であった
▲早春の陽射しを浴びて竿を振る
二週間前、岩穴に隠れていたイワナもやっと瀬に出始めた
まだエサを追う範囲は狭いが、食いは抜群・・・
瀬に流すと、いきなり竿先がしなり、目印が走る・・・すかさず合わせる
▲早春のニッコウイワナ
釣り上げたイワナを岸辺に寄せ、おとなしくなった瞬間をとらえてシャッターを切る
白い斑点と、側線下に鮮やかな橙色の斑点を持つ渓流の美魚
光のシャワーを浴びると、その美しさは倍増する
▲枝沢が合流する地点は、絶好のポイント
尺イワナは、こうした枝沢が合流する地点で釣れる場合が多い
本流だけでなく、枝沢からもエサが流れ込み、絶好のエサ場となっているからである
はやる気持ちを抑えて静かにアプローチ・・・苔生す岩陰を狙って丹念に探る
▲枝沢合流地点で釣れた刺身サイズのイワナ
狙ったとおり、イワナは竿を弓なりに・・・
顔は黒くサビつき精悍な面構え・・・体半分ほどが逆光に照らされ、透き通るような輝きを放つ
▲雪解けの斜面から次々と顔を出し、鮮やかな赤紫色の花を咲かせるカタクリ
左のツボミ状のカタクリは、雪解けの遅い岸辺側
右の花が開いたカタクリは、雪解けの早い雪崩斜面の上部に大群落を形成していた 
▲キクザキイチゲも負けじと咲き始めた
山野草のマクロ撮影をすれば、デジカメとEOSkiss X3の違いが良く分かる
背景のボケと立体感・・・それが手前の花をより美しく際立たせてくれる
▲株となって咲き始めたエンレイソウ
6本もの株は珍しい・・・これが大きくなればどんな姿になるのだろうか
早春の光を独占しようと喧嘩しているようにも見える
しかし、前後左右、上下へと八方に別れ、天然盆栽の美を見せてくれるに違いない
▲マンサクの花
光が強過ぎて、肝心の花が反射してしまった
しかし、背後の雪渓と清流が適度にボケ、早春の渓のイメージは表現できたと思う
こういう場合、PLフィルターがあれば、最高なのだが・・・
▲源流部へと釣り上るにつれて、雪渓も厚くなる
源流部は、雪解け斜面に顔を出したバッケが目立つようになる
絶えることのないイワナの魚信に奥へ奥へと吸い込まれるように釣り上がる
二人は完全に釣りキチと化していた
▲エノキタケ(ユキノシタ)
残雪期・春一番のキノコ・・・別名「雪の下」とは良く名付けたものだと思う
傘は黄褐色〜茶褐色、傘裏はクリーム色、柄は下部が黒いのが特徴
日本人好みのキノコで、ヌメリが強く、甘い香り、歯切れ、舌触りともに良い
料理は、味噌汁、和え物、天ぷら、鍋物など
▲源流部のイワナ
ブサブサになった胸ビレは、過酷な源流を生き抜いた証
顔全体が黒くサビついているのは、長い冬の間、暗い岩陰に潜んでいた証であろう
まだ、エサをほとんど食べていないにもかかわらず、丸々と太っているのが不思議である
▲落ち葉が降り積もった浅瀬に泳がせ、シャッターを切る
水の透明感、星屑のような白い斑点とスマートな魚体が印象的だ
▲光輝くイワナ
葉が萌え出る前の谷は、光の量が年間を通して最大となる
PLフィルターがないと、乱反射でなかなか絵になる写真は撮れない
▲赤橙色の鮮やかな赤腹イワナ
この谷のイワナは、ほとんどがニッコウイワナ系だが、特に腹部の色が濃いのが特徴
針が上顎にガッシリ刺さっている
釣り上げたイワナのほぼ100%が、針を口先に掛けられるようになれば名人と言えるだろう
▲雪渓とニッコウイワナ
白い雪面にイワナを置いて撮影すると、魚体の鮮やかさが際立つ
黒いサビの濃淡、白い斑点と橙色の着色斑点が際立って見える 
▲源流部の魚止め付近に咲いていたエゾエンゴサク  ▲二段10m滝
上二又から左の沢を探索したが、時計を見るとまだ昼には早い
右の沢は、水量が少なく、一見イワナは期待できないように見える
記憶も既に風化していたが・・・意外にも良型イワナが次々と竿を絞った
▲丸々と太った源流イワナ
ちょっと魚体が光に反射してしまったが、実に美しいイワナだった
同じ幽谷の美魚でも、甲乙をつけたくなる
▲水の透明感とイワナの煌き
水面がキラキラと輝き、踊るイワナも煌く
▲源流の宝石・イワナ
胸ビレも尾ビレも傷むことなく美しいイワナ
魚体に散りばめられた側線上部の斑点数が際立って多い個体・・・まるで星屑のようにも見える
「歩く、釣る、撮る」を繰り返していると、同一水系でもイワナの多様性に驚かされる
▲爪痕も生々しいクマの足跡
訪れる人も稀ならしく、蛇行する沢沿いに歩いた痕跡が延々と続いていた
強い春の陽射しを受けても、これだけ鮮明なのは、今朝歩いた足跡だろう
異常気象とは言え、クマは「穴から出るのは4月下旬」のセオリーどおりであった事実に驚かされる
▲雪面に真っ黒い魚体が際立つ
小沢の源流とはいえ、サイズがワンランクアップした
釣り人が稀な証左だろう・・・嬉しい誤算にちょっと遊び過ぎてしまった
▲雪面に踊るイワナを撮る
釣り上げたイワナを雪面に置くと、イワナはムクッと起き上がり
歩いたり、飛び跳ねたりしながら、流れに向かって逃げようとする
その瞬間を撮るのもオモシロイ・・・これだから野生イワナの撮影は飽きることがない 
▲早春のイワナは、水の透明度の高い岸辺で撮るのが定番
谷が穏やかで水量が安定しているのか、各ヒレの傷みは皆無
野生イワナの美味しさは、ブナ林から湧き出す「水の美しさ」にある 
▲不思議な木の造形美「木穴」
大木の木穴は、上を向いて何かを叫んでいるような姿に見える
過酷な雪国の冬・・・この素晴らしい越冬穴を野生鳥獣は見逃すはずはないだろう
どんな種が利用しているのだろうか・・・棒切れで叩いてみたが反応はなかった 
 
▲カタクリとワサビが群生する斜面で、早春の恵みを摘む
雪解けの斜面に光のシャワーが降り注ぐ・・・眠っていた草花や山菜たちが一斉に顔を出す
赤紫色に染まった斜面、その隙間に艶のあるハート型の山ワサビの葉で埋め尽くされている
まるで春告げ花の楽園に、疲れをすっかり忘れて早春の恵みを摘む
▲一面、山ワサビに覆われた斜面
薬味にしようと、間引くように採取する
大きな根は、イワナの刺身の薬味に、花と茎葉は刻んで醤油漬けにする 
▲腐葉土から顔を出したシドケ ▲幼いアイコ
いつもなら5月の連休辺りからシドケ、アイコのシーズンとなるが、
今年の寒さは尋常でなく、期待薄だろう
しかし、日当たりの良い斜面だけは、例外らしい・・・もう一週間もすればシドケ、アイコも期待できるかも 
▲ウバユリの若葉  ▲苔生す岩の階段 
▲雪をたっぷり入れてイワナの旬を保つ ▲家では、残雪期にしか味わえないイワナの刺身
EOSkiss X3+EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS(680g)を首にぶら下げたまま、ハードな谷を丸一日歩く
デジカメ・ニコンCOOLPIX P90は、重さ約460g・・・その差220g
確かに描写力は数段優れているが、機動力という点ではデジカメが勝る

ならば、山釣りの際に、二台持ち込めばいいのでは・・・しかし、それでは荷が重く、かさばるだけ
結論から言えば、メモ代わりに撮るならデジカメ、より美しい写真を撮りたいならデジタル一眼レフ

今回の実写テストは・・・苦労はしたが、撮影結果を見る限り満足度は高い
しかし、好天なら一眼レフでも問題はないが、数泊の山釣りなら、雨は必須
それを考えると、つらい選択にならざるを得ない

山釣りバカなら、イワナが遊ぶ桃源郷の世界をより美しく撮りたいと思うのは当然の帰結
この一年、デジタル一眼レフを持って山釣りに挑戦してみようと思う
深山幽谷のイワナから学んだ教訓は・・・「楽をしようと思えば、得るものは何もない」

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