錦繍の谷のキノコ狩り2009その1 錦繍の谷のキノコ狩り2009その2 山釣り紀行TOP


黄葉とキノコ狩り、極上ナメコ、立ち枯木のムキタケ、クリタケ、キノコの後処理と長期保存法、秋の美渓、ナメコMEMO
昨夜は満天の星空・・・見上げると、まるで星が空から降り注ぐように輝いていた
ところが二日目の早朝、予想だにしなかった雨が降ってきた・・・ブルーシートを張っておいてよかったと安堵する
谷の遅い夜明けを迎え、朝食を食べる・・・心配した空も一気に晴れ上がる

黄葉の季節は、天候次第で天国と地獄ほどの落差がある
それだけに雲ひとつない快晴に恵まれたのはラッキーとしかいいようがない・・・山の神様に感謝、感謝
黄金色に染まった小沢を上り、豊穣の森をキノコ目線で彷徨う
▲緑色から黄色、黄褐色のグランデーションで彩るブナの森
狭い谷間に光が降り注ぐと・・・澄み切った青空に森全体が炎をあげて燃えているように煌めく
感嘆の声を上げながら谷を上る
▲ナメコ幼菌 ▲ムキタケを採る ▲ナメコの森に向かって小沢を上る
▲極上ナメコの大群生、その3
対岸から急斜面に突き刺さったブナの倒木を遠望する・・・「あれ、ナメコじゃないか」
沢に下りて、倒木の斜面を駆け上がる・・・「極上のナメコだ」と叫ぶ
しかも大量に群生していた

ナメコは傘が開くと、虫がつきやすい
また老菌になると傘表面は濃い褐色になり、傘裏は黒茶色に変色・・・著しく味が劣化する
上のナメコは、極上のナメコの成菌で、採取にはベストタイミングだ
▲極上品かどうかを見極めるには、傘裏をみれば一目瞭然
極上品は、虫食いもなく淡い黄色で美しい
柄の上部には、ゼラチン質のツバがあるのが特徴
天然のキノコは、好天かつベストタイミングに恵まれるのが殊の外難しい
それだけに、こんな極上品に遭遇すると、「ナメコだ、ナメコだ・・・」と大騒ぎになる
▲傘が平らに開いた成菌を上から撮る
傘全体が厚い粘液に覆われ、傘中央部から周縁部に向かって色が淡くなる
▲楽しい、楽しいナメコ狩り
キノコ狩りで大当たりするコツは、自分の都合ではなく、キノコの都合に合わせるしかない
キノコは、イワナと違って決して逃げないけれど、旬に当たるのが難しい
それだけに当たった時の感激は大きい
▲苔生す巨大な倒木 ▲飽きるほど生えていたムキタケ
▲平坦で穏やかなブナの森をゆく
緩傾斜の高台は、ブナの巨木が多い
森の中は明るく風通しも良い
降り積もった落ち葉を踏みしめながら風倒木を探す
▲傘裏が美しいムキタケ ▲ブナの巨樹を仰ぎ見る ▲ヌメリたっぷりのナメコ
▲ナメコの群生、その4
目的の倒木に向かったが、ナメコの気配はゼロだった
周辺を探しているうちに見つけたのが上の写真
湿っぽい倒木の真下や皮の隙間を破って顔を出していた・・・ゴミをつけずに採取するのが難しい
▲地面スレスレに生えたナメコの成菌 ▲隙間にビッシリ生えたナメコ ▲ナイフで丁寧に切り取る
地面に伏した倒木の下に生えたナメコは、一旦切り落としてから拾う
倒木の隙間に重なり合って生えたナメコは、切り落とした後、採りやすい位置に移動させて採る
こうしたランダムに生えたナメコは、絵になりにくいが、極上品だけに採るのはすこぶる楽しい
▲澄み切った青空に、黄葉が一際映える
上を見上げれば、青空に燃える黄葉
下の倒木に目を転ずれば、キノコの山また山・・・言うことなし
▲ナメコの幼菌 ▲苔生す倒木とムキタケ
▲倒木の根元に生えたクリタケ ▲ジャンボクリタケ・・・思わず株ごと採取して記念撮影
クリタケは、なぜ枯れた根元だけに生えるのだろうか
▲立ち枯れ木に生えていたムキタケの風景
ムキタケは、ツキヨタケと似ているせいか、立ち枯れ木に生える場合も多い
手の届かない高い場所は、柄の長い鎌で切り落としてから拾う
しかし、今回のように飽きるほどムキタケを採取すると、撮るだけで満足してしまう
▲倒木の下面に群生していたムキタケ
表皮下にはゼラチン層があって、表皮はむきやすい
肉は厚く、白色で、特有のすべっこい舌ざわりと癖のないソフトな味が親しまれて、
山間地方を代表するキノコである・・・薄塩で漬けて長期保存する
冬に取り出して納豆汁に入れると最高の味で、漬けキノコとして、山間部では必ず毎年秋に漬ける漬物の一つである
▲対岸の黄葉した山を望む ▲背後の青空と黄葉、針葉樹のコラボが美しい
▲ムキタケは、傘裏が透明感のあるホワイト色をしていれば極上品
▲地面に突き刺さった枯れ木を、美しく着飾るように生えたカワラタケ
まだ陽は高いが、十分過ぎるほど採取・・・早々とテン場に戻り、採取したキノコの後処理をする
キノコの後処理や料理には、ザルが大活躍する・・・少なくとも直径30cmのザルが3つあれば便利
▲錦繍の原始庭園をバックに大量に採取した旬のナメコを撮る
採取したキノコの処理は、まず種類別に分けてザルに入れる
ナメコは、清流で付着したゴミを洗い流し、ザルに入れて水気を切る

その際、素手でやると水が冷たく手の感覚がなくなる・・・ゴム手袋をして水洗い作業をするのがコツ
また、山の恵みをきれいに撮るためにもザルは欠かせない
一年を締めくくるブナ林の恵み・・・写真からその意が伝わるだろうか
▲錦秋の谷を借景にした源流酒場
秋山に来ればキノコ料理を食べたい
定番はキノコ鍋・・・調理が簡単で天然キノコの風味が十分味わえる
今夜も真っ暗な夜空に、満天の星がキラキラと輝き、殊の外美しく見える
下界では、星空を見ることがほとんどない・・・それだけに「星降る夜」のロケーションには感激する

星降る夜に赤々と燃えあがる焚き火、
岩をかむ瀬音、
渓の傍らでマイナスイオンをシャワーのごとく全身に浴びる
アツアツのキノコ鍋に舌鼓をうち、熱燗とホットウィスキーを飲み語らう
最後に、残った鍋にうどんを入れて煮込み腹を満たす・・・これまた格別に美味い
(うどんもいいが、今度は郷土料理の代表・キリタンポ又はだまこを入れてみようと思う)

酔えば酔うほどに、金で買えない極上の美味しさに酔いしれる
だから山菜&イワナも、釣りがオフシーズンになったキノコでも、山ごもりが最高のスタイルである
普段眠っていた本能が呼び覚まされると、人は皆そう思うに違いない
▲錦織り成す秋の美渓
三日目の早朝・・・薄明かりでも錦繍の渓畔林は、艶やかな色彩を放つ
清流は、多様な色彩を放つ黄葉を映しながら、岩の間をかむように流れ下る
▲食い切れなかったキノコは、種類別に分けて整理する
これ全部で約17kg(ナメコ中8袋、ムキタケ大4袋)・・・一人当たり約8.5kg
山ごもりは、二人と少なければ共同装備がしこたま重い・・・おまけに大量のキノコを背負って歩けるだろうか

大量に採取した場合のキノコ保存法
その1・・・ゴミを洗い流したキノコをザルに入れて水を切り、フリーザーバッグに小分けして冷凍する
その際、フリーザーバック内の空気を抜くことを忘れずに
冷凍保存は、マイタケも含めてほとんど全てのキノコが長期保存に適している

その2・・・缶詰加工する(缶代80円+加工代80円=160円/缶)・・・贈答用に最適
缶詰はヌメリのあるキノコが最適・・・マイタケは×、サワモダシ、ナメコ、ムキタケは○
▲朝はハンゴウで飯を炊く。左は昨日残ったキノコ鍋を温める。アツアツのご飯に納豆とナメコの煮付けをぶっかけて食べる。 ▲残った薪を全て積み上げ、盛大な焚き火をする
ゴミ一つ残らないように綺麗に後片付け、荷づくりをする
来る時よりも、キノコでズシリと重くなった荷を担ぐ
▲荷は肩に食い込む重さだが、好天に恵まれ快適に歩く ▲下る途中で「あきた滝300」の著者・佐藤俊正さんと出会う
「あれっ、俊正さんじゃないですか」
聞けば、林道が延びたのを知らずに、旧道に車を止め、廃道と化した橋の下を渡渉してきたという
お陰で1時間もロスしたと苦笑いしていた

退職してからも、相変わらず滝を追い掛けているようだ・・・滝一筋の人生にも脱帽せざるを得ない
今は重いアナログカメラからデジタルカメラに代えているという
「私はキノコの造形美にとりつかれている」と笑って答えた
お互いに目的は違っても、フィールドは同じ・・・情報交換したいとの申し出に快く応えて分かれる
▲山の恵みを背負って、谷沿いに続く錦秋の杣道を下る
豪華絢爛・・・一見、華々しく見える黄葉の風景だが、どこか寂しさを感じる
11月ともなればミゾレ交じりの木枯らしが吹き荒れる

まもなく木々は錦繍の衣を全て脱ぎ去り、沈黙の冬を迎える
熊もブナもイワナも、眠らねば生きていけない季節が駆け足でやってくる音を確実に聞いているだろう
早くも新緑に萌える季節を思い浮かべながら、我が愛しの渓としばしの別れを告げる
ナメコMEMO
ナメコはブナ林を代表するキノコである
地方名は、ヌイド、ナメラッコ。漢字を当てると「滑子」。
傘は半球形で、後に丸山形から扁平となる。
表面は粘液に覆われ、湿っている時は特に著しい粘性がある。
傘が開くと、中央部が赤褐色、周辺部は淡い黄褐色。肉は厚く、淡黄色。
ナメコは発生する木を変えながら、1ヶ月にもわたって次々と現れてくるのが大きな特徴。
発生時期:10月中旬〜11月上・中旬。発生場所:ブナの枯幹、倒木、切り株上に群生する。

◆料理・・・ナメコ汁、納豆汁、おろし和え、三杯酢、ワサビ醤油、鍋物、麺類の具、佃煮など

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