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エゾハルゼミ、コミヤマカタバミ、フイリミヤマスミレ、エチゴキジムシロ、イワキンバイ、ヤマツツジ、ヤマドリゼンマイ、ワラビ、骨酒、山の幸・・・
▲木漏れ日に輝く渓
例年ならば、涼しく、見通しも良いのだが、
蒸し暑く、木々の葉や雑草が伸びて全く見通しがきかない
ルート選定に悪戦苦闘、群がるブヨに悩まされながら、新緑と残雪の源流へ
▲エゾハルゼミ・・・透明な羽が特徴
梅雨の頃、ブナ林から聞こえてくるセミがエゾハルゼミ
早くても5月中旬頃現れ、7月下旬頃まで
▲新緑に映えるムラサキヤシオツツジ
私と柴ちゃんは、入り口の滝を越えて枝沢に向かう
疲れて足取りも重いアッちゃんは、一人で本流を遊ぶという
この時、彼に32cmの岩魚が掛かるとは・・・これだから自然のドラマはオモシロイ
▲満開に咲き誇るシラネアオイ
花がデカク、群生しているので、良く目立つ
花が顔だとすれば、首の周りを大きな葉で装う姿は、まるでエリマキトカゲのようにも見える
滝を越えると、谷の風景は一変
盛春から早春に逆戻りしたような感覚に襲われる
岸辺に咲いている花を見れば・・・カタクリ、キクザクイチゲといった早春の草花が目立つ

流れもいつになく力がない・・・
慎重にアプローチしたはずだが、意に反し、小物ばかりが掛かってくる
しばらく休ませ、岩魚が回復するのを待つべきだと思った
ゴーロを越えたザラ瀬でやっと9寸余りの岩魚が掛かった
200mほど釣り上って、納竿・・・のんびり草花を撮影しながら下る
盛春と早春が混在した草花の競演には、驚くほかない
▲マンサクの花 ▲キクザキイチゲ
▲残雪とバッケ ▲エゾエンゴサク
滝を下り、二又で休んでいると、ほどなくアッちゃんが本流を下ってきた
足下は明らかにふらついていた・・・相当疲れているようだ
手には、編袋をぶら下げていた

編袋を覗くと、何と32cmを筆頭に生きた岩魚が数匹入っているではないか
聞けば・・・「同じ壷で粘って釣ったんだ」
岩魚は「足で釣れ」・・・とは言うものの、スローに釣ることを忘れていた
▲残雪と新緑に染まった源流部
正午を過ぎると、沢は雪代で沸き返る
階段状のゴーロともなれば、どの壷も沸騰状態で釣るポイントはほとんどなくなる
さらに、水温が急激に下がり、岩魚の食いも鈍る
終わってみれば、午前中にスローに釣ったアッちゃんの完全勝利
▲コミヤマカタバミ
コミヤマカタバミの花は、基部に黄色の斑がある
花は白色、時に脈が淡い紅紫色を帯びる
▲スミレサイシン ▲フイリミヤマスミレ・・・スミレサイシンの花と似ているが、葉に白い斑紋がある
岩魚のアタリは鈍く、たまに釣れてもリリースサイズ
草花や新緑の谷を撮影しながら、足早に源流の滝をめざす
▲新緑と春黄葉
強い陽射しが新緑の谷に降り注ぐ
萌黄色の新緑が眩しいほどの輝きを放つ
右の写真は、淡い黄茶色の若葉と新緑の競演・・・まさに春黄葉
▲ミズ(ウワバミソウ)
▲ホンナ(ヨブスマソウ)・・・秋田ではボンナとも言う。茎が中空のものが美味い。折るとポンと音が聞こえるような感じがする。 ▲ウド
▲新緑とゴーロ・・・絵になる風景だが、滝壺は200度くらいに煮えたぎり、釣るポイントはない ▲源流に懸かる十文字滝・・・釣れてきたのは、期待に反しリリースサイズだった・・・これにはガックリ
▲エチゴキジムシロ
帰路、杣道の崖に鮮やかな黄色の群落が目に止まった
崖を攀じ登り撮影・・・花期は4〜6月
黄金色の花の形が大きく、リュウキンカの花を想わせる
▲イワキンバイ(岩金梅)
その名のとおり、山地の岩上に生える
一見、エチゴキジムシロの花に似ているが、黄色の5弁花を集散状につける
▲最後の晩餐
風は、上流から下流へ
岩魚塩焼き用の三脚は、煙がたなびく下流側に移動した
清流の傍らで岩魚、山菜料理を済ませると、乾いた衣服に着替える
足にはスリッパ、頭にはヘッドランプをつけて焚き火を囲む

皿に料理を盛り、熱燗をコップに注いで乾杯!
今晩も有り余るほどの山の幸で酒を酌み交わす・・・極楽、極楽
▲岩魚の骨酒
焚き火で燻製にした頭と骨は、いつも家に持ち帰って骨酒を楽しむ
骨酒用の器は、岩魚の形をした特製品
飴色に輝く岩魚の頭に注目・・・この独特の飴色は、広葉樹の焚き火でないとでない
熱燗を注ぐと、酒も淡い飴色になる
焚き火の魔術が酒に溶け込み、山釣りの世界に酔える一品
これに山菜料理があれば言うことなし
▲記念撮影
アッちゃんと柴ちゃんは、まだ40代・・・
なのに二人とも足が痛い、膝が痛い、もう限界・・・を連発
すぐに弱音を吐くが、口だけは実に達者・・・全く限界に達していないことだけは確か

共同装備と山ほどの山菜を背負い、高度差220mを上る
上るだけでも苦行なのだが、噴出す汗にブヨの大群が群がり、ところかまわず刺しまくる
これには、ほとほとまいった
▲ヤマツツジ
ムラサキヤシオツツジが終わると、朱色が鮮やかなヤマツツジが咲く
新緑にムラサキヤシオツツジ、深緑にヤマツツジが良く映える
自然の造形美は、実に素晴らしい演出をするものだ

おまけ:太平山系単独行の写真&コメント(2008年5月10日)
▲カエル合戦
春になれば、アズマヒキガエルは、温かくなった沼に集まってくる
一匹のメスに群がるオスたち・・・下のメスは既に恍惚状態
やがて巨大な卵塊から、多数のオタマジャクシが誕生する
雪国の春は、新たな命を生む季節でもある
▲ニリンソウ・・・一般に一つの茎から二つの花を咲かせるが、稀に三つの花を咲かせるものもある・・・これならサンリンソウと呼ぶべきだろう ▲リュウキンカ
春は値千金の感激を与えてくれる・・・その象徴が、金色のリュウキンカ。被写体として実に魅力的な草花だ。
▲ヤマドリゼンマイ・・・平場の湿地に顔を出したヤマドリゼンマイ。姿・形はゼンマイに劣るが、味は劣らない。 ▲ワラビ・・・早くも里ではワラビの最盛期。山のワラビも、ポツポツ芽を出し始めた。
▲ブナの新緑の輝き
ブナの若葉は、木漏れ日を浴びると一層輝く
岸辺には、ニリンソウやシラネアオイ、スミレサイシン、ヤマワサビの花が咲き競い
湿地には、リュウキンカの花の下、産卵に備えて、カエル合戦が繰り広げられる

雪崩斜面には、ウド、シドケ、アイコ、ホンナなどの山の野菜たちが一斉に芽を出し
キラキラと輝く流れには岩魚が踊り、樹幹からはエゾハルゼミの大合唱が鳴り響く
時折、熊避け鈴に驚いたカモシカが急斜面を駆け上がる

春の沢旅は、まるで桃源郷の散歩道・・・
沢登りは夏が定番、と思っている人が多いが、
実は、新緑の沢旅ほど楽しいものはない
▲山の幸・・・32cmの岩魚と若ウド
「山の幸」をありがたくいただくことによって、山から幸せをもらう
幸せは、十人十色・・・
私にとっては、山から幸せを授かる方が、その感激も大きい
ある意味、山の神様は、決して見返りを要求しない山のサンタクロースのようにも思う

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