白神源流の滝NO.1 白神源流の滝NO.2 白神源流の滝NO.3 山釣り紀行TOP


五郎三郎の滝、滝川の滝その2、粕毛川・三蓋滝、オリサキ沢源流の滝、暗門の滝、ヤナダキ沢の滝、石滝・・・
追良瀬川中流部・五郎三郎の滝・・・昭和61年9月のアルバムから
▲五郎三郎の滝25m
昭和61年9月、五郎三郎の滝が見える左岸にテン場C2を構える
当時の記録には・・・

「二日目、最源流部を攻めるため、三の沢第二BCへ移動した
シワラの沢(三の沢)手前右岸に大滝がある
その真正面の左岸に、ちょうどキャンプ跡地があったのでテント場にする
景色も抜群、高水敷にテントを張ることができるので増水時にも心配はない
河原は広く、一帯は岩盤で、水の流れは岩をなめるように流れている・・・」

私と中村会長、長谷川副会長の3名は、ウズラ石沢まで一気に歩き、源流部を探る
そこで、想定外の大雨に遭遇・・・
上の古ぼけた滝の写真を見る度に、毎日、寒さに震えながら滝を眺めて過ごした懐かしい日々が鮮明に蘇ってくる
▲初めての追良瀬川源流行
北の釣り1986年10月号、「これぞ大イワナの世界 前編」(秋田・源流釣友会)には・・・
「ウズラ石沢合流点で、中村会長が左岸のウズラ石沢へ
私と長谷川副会長は本流へ入った。

・・・空を見上げると、先ほどまでの天気がウソのように一転し、
黒い雲が西から東へ移動している。少したつと小雨となってきた。
これは願ってもないチャンスと思ったとおり、イワナが入れ食い状態となった。
・・・ツツミ沢とサカサ沢が合流する地点で大雨となってきた。

カッパを持ってこなかったので、全身がビショ濡れとなり、パンツまで滲みてきた。
急に体が震え、寒くなってきた。鉄砲水も気になる・・・
▲ウズラ石沢合流点上流 ▲左からウズラ石沢が合流する深淵 ▲追良瀬川のゴルジュ

大雨は一向にやまず、午後三時近くになると、全身がビショビショで、寒さのため震えが止まらなくなった。
・・・イワナが狂ったように釣れるので、もっと釣りたい気持ちをグッと抑えて帰ることにする。
寒いので、パンとチョコを食べ、疲労回復した後、ベースキャンプ地へ下降。

先ほどチョロチョロ流れていた水が、濁流に一変。
見ている間に水位が上昇してくるのが、はっきりと分かるほど出水が早かった。
本能的に危険が全身を貫いた。

ウズラ石沢合流点では、増水で川を渡ることができず、高巻きをした。
ここから下流はV字峡で、あたりは岸壁である。高巻きできる場所は少ない。
それだけ増水時は危険となる・・・ここで午後四時・・・

濁流、激流の中に身を浸し、上からは容赦なく大雨が降り続き、あたりは次第に暗くなってくる。
渓谷の夜は早い。次第に不安と焦りが先にたつ。
増水で濁っているため、深さが全く分からない。

腰まで水につかりながら、川を横断する時は、何としても暗くならないうちに
キャンプ地に辿り着かなければならないという気力のみであった。
突然、あちこちに大きな滝が出現し、その流れが本流と合流し、水位が上昇してくる。

午後五時を過ぎたあたりでは、疲労と次第に増える水位で、
もうダメなのではないかという不安に駆られる。
何度も流れに足をとられそうになったが、二人でいるため心強かった。
必死に下る。歩けど、歩けど、キャンプ地に着かない。

午後六時近くになって、やっと三の沢近くの右岸高巻きの所に辿り着いた。
やっとの思いで高巻きをする。
目印の大滝を見て、初めて助かったという気持ちになった。

焚き火の煙が目の前に見えてきた時は、全身から恐怖が去っていくのを感じた。
もう三十分遅かったら、途中で暗くなり、増水はピークに達し、
帰ってくることができなかったと思うと、酒をいくら飲んでも酔うことはできなかった。」
▲荘厳な滝を借景に過ごした懐かしの源流行
▲4日間、五郎三郎の滝を眺めて過ごす
この苦い記憶を思い出すたびに、山の神様は、稚拙な源流初心者を、
滝上から全て眺め、「魚しか見えない釣り人の来る所ではない」・・・
と、私たちに、死と紙一重の試練を与えたに違いないと思う
▲五郎三郎の沢入り口に懸かる長大なナメ滝 ▲五郎三郎の沢5mのナメ滝
五郎三郎の沢は、「隠れマタギ」の岩小屋や赤石川と追良瀬川をつなぐ歴史と文化に満ちた杣道である
藩政時代、阿仁の旅マタギ(出稼ぎマタギ)は、こんな奥地まで密かに隠れて猟をしていたという
時に密猟が見つかると、両腕を切り落とされる処罰を受けた
そんな危険を犯してまで、猟をしたということは、相当魅力があったに違いない
▲2004年秋、会結成20周年記念イベントで訪れた懐かしの五郎三郎の滝をバックに感激の対面
五郎三郎の滝は、我々にとって愚かなイワナ釣り人生を180度変えてくれた「神の滝」である
▲追良瀬川−赤石川支流滝川MAP

◆赤石川支流滝川から追良瀬川に抜ける杣道
地図を眺める限り、少なくとも4本のルートがある
現在、指定ルートになっている滝川支流西の沢からサカサ沢ルート、ヤナギツクリの沢から五郎三郎の沢ルート
そして、指定ルートから外れているヤナギツクリの沢からホノ沢ルート、サカサ沢のルートである

2005年夏、大川で出会った地元の老マタギは、かつて、追良瀬川に抜けたルートを話してくれた
それによると、いずれも、現在、指定ルートから外れているヤナギツクリの沢からホノ沢ルート、サカサ沢のルートだった

白神山地入山指定ルート番号1、2、3
追良瀬堰堤から五郎三郎の滝までは、遡行距離約8kmと長い
白神山地で最も人気が高いルートは、さらに本流(指定ルート4)を遡行し、
右のウズラ石沢(指定ルート7)を詰めて白神岳に至る沢登りコースである

また、白神のブナ帯文化を辿るコースとしては、
滝川支流ヤナギツクリ沢から五郎三郎の沢を下り、追良瀬川に至る杣道がある
白神山地入山指定ルート番号23、24、15、12
滝川源流の滝・その2
▲滝川・堰堤タイプのナメ滝3m
滝の右側は、イワナが遡上しやすいように階段状となっている
これも天然魚道と言えるだろう
▲雪渓とアイコガの滝・下段2m滝

◆マタギ遭難伝説
砂子瀬マタギ12人は、滝川支流オチブの沢付近で遭難し、何と11人が死亡している
その原因は、山崩れでできた自然堰止湖が雪に覆われているのを知らずに渡渉し、
雪の下の堰止湖に次々と落ちて溺れ死んだという

本来、マタギの世界では、12月12日の山の神様の日にちなんで12という数字は、縁起のいい数字
とされているが、目屋マタギは、この遭難事件以来、12人で山入りすることを忌み嫌ったという
この遭難の供養碑は、砂子瀬集落の共同墓地にある
▲西の沢5m滝
▲西の沢源流の滝 ▲滝川・ゴルジュに懸かる7m滝 ▲滝川・廊下状ゴルジュ

粕毛川源流の滝(現在、入山禁止)
▲粕毛川源流三蓋(さんがい)沢・三蓋滝二段20m(平成元年6月上旬撮影)
三蓋滝は、両岸、屹立する岸壁の真ん中を二段となって豪快に落下している
▲粕毛川源流MAP(現在、入山禁止)
かつては、水沢川支流金山沢から杣道を辿って粕毛川源流に入るルートが良く利用されていた
粕毛川は、標高約400mで三蓋沢とコガカ沢に分かれる

二又下流の左岸枝沢・善知鳥(うとう)沢から赤石川へ抜けるコルを
秋田マタギは「津軽口」と呼んでいる
しかし、世界自然遺産に登録されると同時に入山禁止となった

三蓋沢は、チャセ瀬が続く平凡な河原が延々と続く
標高400m二又から約2.7kmほど上ると、左から枝沢が合流する標高約510m二又に達する
ここからほどなく、三蓋滝が現れる
▲三蓋滝下段の滝・・・粕毛川源流魚止めの滝
▲粕毛川支流コガカ沢の枝沢に懸かる滝
三蓋滝の滝壺は、落差の割に浅く小さい
一方、上段の滝壺は深いが、イワナは、下段の滝を遡上できないらしく、魚影は確認したことがない
三蓋滝は、粕毛川源流のイワナ止めの滝である
▲粕毛川源流三蓋沢
三蓋沢は、雪代が終わる初夏の頃から、水量が極端に少なく、チャラ瀬が続く
夏の渇水期には、水が伏流で地下を走り、川干し状態になる
つまり、三蓋沢は、イワナの生息環境が良いとは言い難い
おそらく、多くのイワナは、渇水期・川干し状態になると、一斉に下流に下がるだろう
▲初夏の三蓋沢(平成元年6月上旬撮影)
同じ世界自然遺産の核心部を流れる追良瀬川や赤石川、滝川源流部と比較すると、
残念ながら我が秋田側の粕毛川源流部は、渓畦林、水量ともに乏しく、原生的自然の魅力に欠けているように思う
大川支流オリサキ沢源流の滝
▲大川支流オリサキ沢15m滝・魚止めの滝
大川に別れを告げ、オリサキ沢を進むと、ほどなく谷が狭くなる
左右に曲がると、暗い峡谷に15mほどの滝が行く手を阻むように立ちはだかる
滝の飛沫を浴びながら右の壁を攀じ登る・・・ただし下りは、足場が見えないのでザイルが必要だ
この15m滝を越えると、間もなくヤツの沢とオロの沢が滝となって合流する二又になる
▲ヤツの沢出合いの滝二段10m ▲オロの沢出合いの滝7m
15m滝を越えると、間もなくヤツの沢とオロの沢が滝となって合流する二又になる
正面のヤツの沢を遡行すれば最悪・・・一面スラブの壁に阻まれる
左のオロの沢出合いの滝は、左の小段を際どく通過する

オロの沢は、標高480m地点で左岸から小沢が流入している
地図上では、この小沢が最短ルートのように見えるが、これまた最悪のルート
特に赤石川から大川へ山越えする場合、この小沢を下る落とし穴にはまる確率が高いので特に注意が必要だ
▲ヤツの沢源流のスラブと滝に行き詰まる・・・天を見上げてルートを考えるが、明らかに赤石川へ抜けるルートではなかった。滑落の危険度が高いので注意! ▲石の小屋場沢のゴーロ滝
初めて大川から石の小屋場沢を下り、赤石川へ向かう際に撮影した一枚
▲大川源流−石の小屋場沢ルートMAP

大川から赤石川へ抜けるコースは、白神山地入山指定ルート番号25
大川〜タカヘグリ〜オリサキ沢〜オロの沢〜石の小屋場沢〜赤石川源流

増水でタカヘグリが遡行不能の場合は、ジョウトクの沢との分水尾根にある杣道を辿る
740mピークから南に尾根を下り、ケラオキバ沢を下降するとオリサキ沢に出ることができる
赤石川越えは、27の指定ルートの中で、ルート選定が最も難しいので注意が必要
▲赤石川ヨドメの滝の右岸を高巻き、滝下に下降する途中で撮影した一枚
雷雨、アラレで増水したヨドメの滝の迫力は凄まじかった
この時は、赤石川を下りヤナダキ沢から暗門の滝へ向かったが、
増水で歩道の橋がことごとく流され、暗門の峡谷に閉じ込められた悪夢を想い出す
白神山地赤石川の玄関口・暗門の滝
▲暗門第二の滝・・・落差32m
沢登りでは、下流からF1、F2と呼ぶが、暗門の滝は上流から番号が付けられている
これは、かつてヤマゴと呼ばれるキコリたちが付けた番号らしい
ブナを伐り出し「流し木」と称してこの滝を流送していた

その際、峡谷の滝で木材が引っ掛かった
それをかき流すためにヤマゴが上流から綱にすがって降りたという
だから、上流から第一、第二、第三と付けたという
▲暗門第一の滝・・・落差42m
天から豪快に落下する暗門の滝F1の迫力は、3つの滝の中でナンバーワン
落下する滝の轟音、飛び散る飛沫、近寄るなと言わんばかりの強い瀑風はもの凄い
滝壺に入ると、淵尻から尺上イワナが走る魚影を確認することができる

滝に向かって左を大きく高巻き、滝上に出る明瞭な踏み跡がある
滝上に出るとミノシ崎沢とフカゲ沢の二つに沢は分かれている
二又右岸には、広く平らなテン場がある

万一、暗門の滝の歩道橋が流されるなど、通行不能の場合は、ここにビバーグするか、
右岸の尾根筋・マタギ道を辿って、第三の滝下流に出るしかないだろう

かつてマタギなど山棲み人が利用する道は、天候悪化で歩くことができないようなルートを決してとらない
1796年、江戸時代の紀行家・菅江真澄が辿った道は、暗門大橋の尾根筋にあった杣道を辿って
暗門の滝を大きく迂回し、フカゲ沢の杣小屋に泊ったと記録されている

当時、杣人は小屋に泊りながら、伐採した木材を暗門の滝を流送していたのである
現在、暗門の滝上流のブナ林は、二次林であることが分かる
▲暗門の滝歩道の橋が大増水で流され、下降不能に陥った時の貴重な写真

白神山地指定ルートにおける危険度ランクによると、このルートはCランクだが、
増水で橋が流されると、ウルトラAランクになるので注意!
特に無理して渡渉し、流されれば、すぐ下流の滝に呑み込まれ100%即死する
当時の記録には・・・

「平成9年10月、指定ルートに従って大川・折埼沢を詰め、石の小屋場沢を下って赤石川源流に入り
増水した赤石川本流をずぶ濡れになりながら徒渉し、ヤナダキ沢を登って暗門の滝へ抜けるおよそ22キロを歩いてみた
紅葉とイワナの産卵を撮影する目的もあったが、指定ルートの折埼沢源流越えに悪戦苦闘、

アラレや雪、雷、雨にたたられそれどころではなかった
さらに悪いことに暗門の滝へ降りたら、増水で遊歩道の橋はことごとく流され、
暗門と呼ばれるV字渓谷に閉じ込められてしまった

屹立する壁に鼻をぶつけるようにしてよじ登ったり、壊れた橋を引き上げて修復、
ザイルで誘導しながら激流が走る対岸に橋を架けて渡ったりしながら突破、それこそ命カラガラで帰ってきた
お陰で4日間の予定が5日間もかかり、危うく遭難騒動を引き起こすところだった


10月の白神は、我々の想像を超えるほど寒く過酷だった
黄葉の谷で、雨、アラレ、雪が降れば、まさに地獄の苦しみを味わうはめになるので注意!
▲滝の瀑布と虹橋の競演
▲平成9年10月、大増水した暗門第一の滝のど迫力
滝の飛沫に虹橋が架かり、実に美しい
▲滝壺を横断しようとすると、降り注ぐ滝の飛沫、体を吹き飛ばすほどの瀑風を受ける・・・必死で下る
▲第二の滝壺は、沸騰する釜のように煮えたぎっていた
▲暗門第二の滝・・・水量が多いと、垂直にストンと落ちる滝の迫力は満点 ▲洪水で流れされることもなく、唯一無事だったコンクリート橋

遊歩道の橋がことごとく流されるほどの大洪水・・・
これほど凄まじい水量でほとばしる暗門の滝を撮影した写真はないのではないか

特に、第一の滝の飛沫は凄まじく、滝の下部に大きな虹橋がかかった
▲雪渓が連なる赤樋の沢・・・第三の滝下流 ▲暗門第三の滝・・・落差26m
▲暗門第二の滝の上にブルーシートが見える。これは修復用の資材だ。 ▲暗門の滝歩道は、毎年雪崩で壊れた歩道の整備を要するため、一般に通行可能になるのは6月中・下旬頃。また大雨で増水すれば通行禁止になる。
▲暗門の滝−フカゲ沢(西股沢)−ヤナダキ沢MAP
このルートは、津軽地方の内陸部と日本海、秋田を結ぶ重要な杣道だった
例えば、西目屋村〜暗門川〜赤石川〜滝川支流西の沢〜サカサ沢〜ツツミ沢〜津梅川小又沢〜岩崎村
(滝川支流西の沢〜真瀬川中ノ又沢〜八森町、滝川支流ヤナギツクリ沢〜五郎三郎の沢〜追良瀬川)
白神山地の遡行は、こうしたブナ帯文化の道を辿って歩くことに価値があるように思う

暗門の滝〜赤石川コースは、白神山地入山指定ルート番号23、22
暗門の滝〜フガケ沢(西股沢)〜640mコル〜ヤナダキ沢〜赤石川

暗門の滝の歩道は、仮設に過ぎず、過信は禁物である
特に、逆の赤石川から暗門の滝へと下降する際は、
悪天候に見舞われると、仮設の橋が壊されるなど、通行不能に陥る場合もあるので注意!

2004年夏の新聞「東奥日報」
「十五日午後三時半ごろ、西目屋村川原平の暗門の滝に通じる遊歩道の一部が、
朝から断続的に降った雨による暗門川の増水で冠水し、登山客ら約二十人が一時的に足止めされた。
県の防災ヘリ「しらかみ」や消防車両が救助に出動したが、
その後水位が下がったため、登山客らはいずれも夕方までに自力で下山し、けが人などはなかった」
・・・この時、我々は石の小屋場沢出合いでヘリが飛ぶ音が聞いた。
赤石川支流ヤナダキ沢の滝
▲ヤナダキ沢F2の滝
本流出合いのナメ滝F1を上り、右に曲がると、迫力満点のF2の滝が眼前に迫る
ゴツゴツした黒い岸壁を一面白い帯となって落下・・・雨で水量が増すと、滝の美はクライマックスに達する
まるで森の神、水の神が宿っているような滝に見える

この滝は、右のルートを直登する・・・滝の落差は25m〜30mほどか
頭から滝のシャワーを浴び登っていると、滝の洗礼を受けているような不思議な戦慄を覚える
やはり、水の象徴である滝は「親しむ」などという軽いものではなく、「敬う」べき「水の神」だとつくづく思う
▲ヤナダキ沢出合いの滝F1
手前の流れが赤石川本流・・・ヤナダキ沢出合いには二つの滝が懸かっている
白神山地の沢々を遡行する場合、標識や避難小屋など皆無だから、
枝沢などがあれば、常に地図と磁石、標高で現在地を確認する作業が欠かせない

幸いこの二つの滝が合流する珍しい景観は、暗門の滝に通じるヤナダキ沢の格好の目印になる
左のナメ滝がヤナダキ沢である
▲暗門川源流フガケ沢(西股沢)4m滝
▲増水した暗門川源流フガケ沢(西股沢)の流れ
▲ヤナダキ沢の長大ナメ滝シャワー
ヤナダキ沢入口から約900m進んだ標高486m地点に、マタギ小屋跡がある
右に進めばミズバショウが生えている湿地沿いに杣道があり、暗門の滝へ
左に進めばクマゲラの森、滝川が合流する赤石川二又へ

赤石川中流部・石滝
▲石滝
滝の落差は小さいが、滝壺が大きく本流から遡上した岩魚が一旦、この滝壺で止まる
それだけに、数々の大岩魚伝説をもつ
石滝の美は、滝ではなく、右手の直立する黒壁から滴り落ちる天然シャワーである
▲雪が舞う石滝上流(平成9年10月撮影)
石滝の左岸に位置する壁を正面から撮る。黒い岩壁は、ほぼ垂直。頭上の森から滴り落ちる湧水が硬い岩盤を縞状に削る。黒壁、縦縞模様、フキユキノシタの緑、細く白い帯・・・その絶妙の造形美に目を奪われる。 清流の滑り台。子供の頃遊んだ滑り台より傾斜はずっと緩いが、水が滑るには十分。天然の滑り台に、心まで滑る。実に愉快な景観だ。
▲左:増水した赤石川を下る(平成9年10月撮影)
▲右:渡渉が困難な淵は、ブナの倒木を頼りに渡る
特に増水した赤石川を下る際は、難易度が極端にアップするので注意!

白神山地入山指定ルート番号18
ヤナダキ沢出合いから赤石川本流を約2kmほど遡行すれば石滝である
その手前のノロの沢の源流には、幻の沼「ノロの沢の沼」がある
沼までは、標高差約300m、距離1.5km
沼周辺は平坦な地形で、土地勘がないと見つけるのが難しいという

摩須賀岳(1012m)に至るコース・・・潅木と猛烈なヤブこぎは白神山地随一と言われている

ノロの沢の小滝
▲ノロの沢の小滝
ノロとは、ノロジカに通じ、白神山地では「カモシカ」のことを意味している
この沢の源流にあるノロの沢の沼には、いまだ訪れたことがない
いつか機会があれば、ぜひ訪ねてみたい場所の一つだ

白神山地入山指定ルート番号21

赤石川源流キシネクラ沢魚止めの滝
▲キシネクラ沢入り口に懸かる魚止めの滝5m
雪代や雨で増水すれば、幅広いだけに壮観な滝なのだが、
夏の渇水期ともなれば、その面影はない
滝上は、平凡なチャラ瀬がしばらく続く・・・水量も少なく、イワナは生息していない

白神山地入山指定ルート番号20
このルートは、源頭で行き止まりとなっており、遡行価値は低いと思う
参 考 文 献
「津軽白神山がたり」(根深誠著、山と渓谷社)
「ブナ原生林 白神山地をゆく」(根深誠著、立風書房)
「白神山地ブナ原生林は誰のものか」(根深誠著、つり人社)
「白神山地・四季のかがやき 世界遺産のブナ原生林」(根深誠著、JTB)
参考:世界遺産・白神山地核心地域内指定ルート及び入山届出について
保存地域の入山は、津軽森林管理署(FAX0172-27-0733)に入山届出が必要。
その際「一日ボランティア巡視員」を引き受け、遡行後、
巡視の結果及び保存地区の管理のあり方等について意見を述べるようにしてください。
世界遺産指定地域内の河川は全て釣り禁止につき注意。
その他注意事項は、手続き要領を参照。

また、ここに紹介する源流の滝は、そのほとんどが日帰りが不可能で、
かつ登山道や山小屋は皆無・・・道なき道を歩く沢登りと数泊の野営を要する点に注意願いたい。

白神山地核心地域内指定ルート図&現地状況一覧表
核心地域入山手続き要領

◆世界遺産指定後の経緯
・平成5年(1993)12月、白神山地が世界自然遺産に登録。秋田県側は入山禁止に。
・平成6年(1994)1月、秋田県藤里町粕毛川源流部を禁漁区に設定。
・平成9年(1997)6月、青森県側の核心部は27の指定ルートに限って入山の許可制を導入
・平成10年(1998)7月、青森県側の核心部を流れる追良瀬川、赤石川、滝川、大川、笹内川を禁漁区に設定。

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