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▲ミズナラの倒木に生えたシイタケ(2008年10月10日)

東北ブナ帯の特徴は、イワナの宝庫に加え、山菜やキノコの種類も量も圧倒的に多い
寿命が300年ほどのブナには、トンビマイタケ、ナメコ、ブナハリタケ、ムキタケ、ナラタケ・・・
寿命が千年を超えるミズナラには、キノコの王様・マイタケやシイタケ、ヤマブシタケ、ヒラタケ、マスタケ・・・
▲ブナの老木に生えた巨大トンビマイタケ
ブナの老木を取り囲むように生えた巨大トンビマイタケ・・・1本の木に約30株・・・恐らく50kg以上はあったと思う
▲ミズナラの老木に生えた巨大マイタケ ▲ブナの倒木に生えた巨大ナメコ
本格的にキノコ狩りを始めて8年、マイタケはわずか2年の初心者だが、
1本の木から数十キロものトンビマイタケ、巨大マイタケに遭遇
東北ブナ帯のキノコパワーには、心底圧倒された・・・自然の力は人間の想像を遥かに超えている
だから、四季の最後を飾るブナ林のキノコ採りは、最高に楽しい
雑キノコ採りPart1・・・森吉・ノロ川(2008年10月4日〜5日)
▲ブナハリタケ
10月上旬、5名のパーティを組み、1泊2日の日程で恒例のノロ川へ
午前は大雨だったが、午後からは晴れ・・・天候は良かったのだが・・・

ブナハリタケは、ブナ林を代表するキノコだけに、いつも健在
9月〜10月にかけて、ブナの枯れ木、倒木に重なりあって生える
特有の香りが気になる人は、一度茹でこぼすか、塩蔵すると気にならなくなる
揚げ物、煮物、炒め物など、どんな料理にも合う
▲センボンイチメガサ
小さいキノコだが、その名の通り、倒木を覆い尽くすように群生する
絵になるキノコだが、食欲は湧かない
▲ナメコの幼菌
ナメコは、ブナ林が黄葉しないと本格的に生えない・・・もう1〜2週間後だろう
なぜか、本命のサワモダシ(ナラタケ)は、ほとんど腐っていた
▲持参した天然マイタケ・・・鍋物と天ぷらにして美味しくいただく
やはり天然マイタケは美味い!
▲鍋用のきのこ・・・ヌメリスギタケ、ナメコ、ナラタケ、マイタケ
▲きのこ料理・・・屋根付きの野営場で楽しい野生キノコ料理 ▲きのこ鍋・・・採取した雑キノコ、豚バラ、糸コン、ネギ+味道楽 ▲サルナシ・・・ツル性の落葉樹で実の断面はキウイフルーツとそっくり
▲二日目、ノロ川遊歩道をゆく ▲色付き始めたノロ川 ▲紅葉初期の桃洞渓谷
▲天国のナメ床が続く桃洞渓谷をゆく ▲桃洞の滝で記念撮影
▲桃洞渓谷の途中、左岸の小沢を探る
奥に入ると、ほとんどスラブの岩盤が連なる渓相となる
ほどなく10mほどの滝で行き止まり・・・ここで引き返す
せっかく来たのだから、左岸小沢の尾根を登り、峰越えにチャレンジ
▲赤の点線がキノコを求めて彷徨ったルート
起点標高650mから尾根を標高差100mほど登り小沢を下る
前方に見える山は、何と先ほど登ってきた松とスラブが続く谷が見える
まだ沢の峰を越えていないことに気付く・・・再び沢を詰め西の方向に向かう

ところが、なだらかな峰越えで一本沢を間違えてしまう
一番低い山道に出るはずが、標高810mのピークに躍り出てしまった
「ここはどこだ」・・・完全に自分たちがいる位置を見失う

このまま山道を北に向かえば楽だったのだが・・・猛烈な笹薮を西に下る
突然、快適な杣道に出る・・・延々と続く平坦な道を辿ると黒石川林道に出る
つまらない林道を歩く・・・途中、立川沿いの遊歩道を歩き、やっと鳥獣保護センターに辿り着く
▲起点から尾根ルートの風景
きつい尾根の急斜面に加え、背丈の倍以上もある猛烈な笹薮にはまいった
根こそぎ倒れた風倒木に立ち、振り返ると、キノコも生えない険谷が広がっていた
▲小沢の源流部で見つけたナメコの幼菌 ▲サワモダシ(ナラタケ)
▲旬のクリタケ発見
沢に転がっていた根株に群生していたクリタケ
名前のとおり、淡い栗色で、丸い傘周辺に白の繊維状の膜をつける
たとえ道に迷っても、こうした思わぬ恵みに出会うから楽しい
若いクリタケの裏側は白く美しい
採取のコツは、崩れ易い傘には触れず、柄の根元をつまんで採る
味区分Aランク
クセのない風味と歯切れの良さが特徴で、良い出汁が出る
味噌汁、鍋物、煮物、炒め物、おかゆ、炊き込みご飯、フライなど
▲黒石川林道沿いのブナの看板 ▲立川沿いの遊歩道 ▲立川渓流の看板
▲最後は「杣の湯」で疲れを癒す
江戸時代の紀行家・菅江真澄が訪れるなど長い歴史を持つ秘湯
真澄は、「小又の温湯」と記した湯の沢温泉・・・それが、今日の杣温泉である
発見は1717年と古く、真澄が訪れた当時は、4名の共同経営となっていた

明治の頃は、4名のうちの一人・相馬氏が経営を任され
その姓をとって「杣温泉」という名前になったという
かつては「温湯」、つまり「ぬるい湯」であったが、ボーリングによって高温の湯が出るようになった

効能・・・切り傷、アトピー、やけど(飲用)糖尿病、肥満、皮膚病など
入浴料金400円、利用時間7:00〜20:00
雑キノコ採りPart2・・・太平山系(2008年10月10日)
▲ミズナラの倒木に生えたシイタケたち

ノロ川のキノコ採りは、本命のサワモダシが全くダメで不満が残った
二番目に生える旬のサワモダシを求めて、再びマイタケ山に向かった
マイタケ名人は、「今年は不作」と結論付けている

マイタケ不作を象徴するかのように、車止めには一台の車もない
気になるのは、やはりマイタケが生えるミズナラの巨木
小沢を詰め、ミズナラの巨木を彷徨うものの、マイタケの気配は全くなし
ミズナラの老木の位置確認を兼ねてシイタケ探しに切り替える
すると、旬のシイタケがやたら生えているではないか・・・飽きるほどシイタケを採る
▲サワモダシ(ナラタケ)
本流に戻り、産卵をまじかに控えたイワナをウオッチングしながら沢を登る
上二又合流点の淵では、私に気付いた尺イワナが悠然と岩陰に姿を消した
上の写真は、沢沿いの風倒木に生えていた二番手サワモダシ
柄にツバがあるのが正真正銘のナラタケ
▲傘表面の放射状の条線は、ナラタケの特徴
▲半球形の後、平に開く
秋雨後、倒木から一斉に発生する・・・だから雨の後に行けば大当たりする確率が高い
料理・・・味噌汁、鍋物、煮物、おろし合え、酢の物など
多く採取したら、茹でてから缶詰に加工してもらうのが一番
食べきれないほど採取したシイタケとサワモダシを担ぎ、車止めで着替えていると・・・
奥から一台の車が林道を下りてきた・・・時計は午後3時を過ぎていた
「どうだった」と、声を掛けられる
「いや〜、マイタケは気配がないので、シイタケとサワモダシを採ってきた」と答える

「俺もマイタケを探しに奥へ奥へと探したども、マイタケは全くダメ
本当に諦めかけた時、マイタケに当たった
今年みたいに不作の年は、やっぱり奥じゃないとダメだなや」

「どれだけ採ったんですか」
「ザックに一杯だ」と、嬉しさを隠し切れない顔で言った
「そりゃ良かった」・・・

今回、魚止めの滝まで行ったが、もっと源流を詰め、ミズナラの巨木を探せば良かったかなとも思う
しかし、マイタケは、前回の大当たりで食いきれないほどある
後は雑キノコで十分・・・これから黄葉とムキタケ、ナメコが待っている・・・楽しみはまだまだ続く

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