早春の山釣りPart2-1 早春の山釣りPart2-2 山釣り紀行TOP
新緑の山旅ほど楽しいものはない 連休後半、雪もないのに眠っていた谷の草木が一斉に動き出した ブナの根元に寝転び、巨木を見上げる 幹の中間から二本に分かれ、天高く聳えるブナ 天を覆うように伸びた枝先は、広い空間を独り占めするかのように一斉に芽吹きが始まった |
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ブナの芽吹きが始まると、待ちに待った山菜シーズンの到来だ 旬の緑鮮やかな山菜・・・サイズごとに束ね、清冽な流れをバックに撮影してみた 山人は、山菜のことを「山の野菜」あるいは「青もの」と呼ぶ |
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初日は、曇天だったが、萌黄色の新緑は、いつ見ても感動的である 連休前半、灰色の森を嫌というほど見せつけられた それだけに、淡い緑が実に美しく見える まるで谷を覆い尽くす木々が萌黄色のドレスで着飾っていくかのように |
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森の芽吹きが始まると、里人の山菜採りも本格的に始まる 古びたリュックとコダシを下げて歩く古老は、地元の山菜採りのプロ 彼が山の奥に入るということは・・・テン場周辺の山菜も期待できそうだ 「大分採れましたか」 「いやぁ、まだポツリ、ポツリだぁ」・・・と言いながら、コダシは山菜で一杯だった |
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沢が360度の円を描くように美しく蛇行し、左岸中央に中州がある 新緑の芽吹き、苔生す岩と清冽な流れ、背後のブナ原生林、小鳥の囀り・・・ 原始庭園を借景としたテン場は、我々にとって桃源郷のような別天地である |
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小沢の斜面には、シドケ、アイコ、ホンナ、ミズ、アザミ、ヤマワサビ、コゴミ、アマドコロ、ユキザサ、ウバユリ、 ニリンソウ、ヒトリシズカ、スミレサイシン、ミヤマカタバミ、トリアシショウマ、エゾエンゴサク、ダイモンジソウ・・・ などの食用種とトリカブト、エンレイソウなどの毒草も一斉に腐葉土から萌え出していた 山の野菜は、品質も良く売るほど生えている |
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岩魚は、3人で10匹(刺身用4匹、塩焼き用6匹)を目標にスタート 沢は、連日の雨で渡渉に難渋するほど増水していた それだけにポイントは渦巻き、竿を出せる場所がほとんどなかった |
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それでも2時間弱で目標を達成 曇天が続く谷は寒く、昼食はテン場に帰ってからのんびり食べる 萌え出た森と清流を借景に、楽しい岩魚と山菜料理を楽しむ |
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本日の刺身用の岩魚4本 岩魚の腹を裂き、内臓を取り出してから皿に持って撮影してみたが 腹を裂かない方が美しく撮影できるように思う そして何より、旬の岩魚を撮影するには、生きたままテン場まで持ち帰ることがポイントだ |
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竹串に刺した岩魚は7本、目標より1本多くキープしてしまった 旬の塩焼き岩魚を表現するために、清冽な流れを背景に撮影してみた |
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明るいうちに山釣り料理を完成させ、焚き火を囲む 渓流で冷やしたビールで乾杯! ついつい飲み過ぎてしまい酩酊・・・ 焚き火の写真はことごとく失敗し、大イビキをかきながら眠っていたらしい |
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翌朝も曇天続きで、いつ雨が降ってもおかしくない天候だった 前回、最短ルートで下ったルートを忠実に辿りながら上る 連続する崖の小段を際どくトラバースしながら急な斜面を低木類につかまりながら慎重に登る 杣道からブナの落葉が大量に降り積もった散歩道を快適に歩きながら 沢の上流をめざしてひたすら進む |
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突然、落葉から飛び出した山ウサギに驚く 見上げると、予期せぬ訪問者に驚いた山ウサギは、立ち止まり両耳を立てて警戒している その一瞬をとらえてズーム撮影したのが上の写真 性格は臆病で警戒心が強い。冬の体毛は真っ白だが、早くも茶色に衣替えしているのが分かる かつては、山ウサギは県内の至るところに生息し、肉屋が一軒もない山村にとって、冬の最大の味覚だった |
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せっかく沢の上流部にやってきたが、先行者の足跡が至る所にあった やむなく、雨で増水した渓を30分ほど歩いたが、先行者に追いつくことができず 諦めて竿を出すことに・・・ |
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岩魚釣りの先行者がいれば、どんな渓流であろうと、 岩魚は警戒心が強く、ほとんど釣れないのが常である 予想通り、岩魚のアタリは遠い たまに釣れたとしても、警戒心の弱い小物ばかり・・・ 粘りに粘って、何とか8寸から9寸程度の岩魚を4本釣り上げ、早々に竿を納める |
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まだ芽吹きには程遠い森とわずかに残る残雪、雨と雪代で沸き返る渓を足早に下る 途中、クレソンやシドケ、アイコ、ホンナ、コゴミなど、のんびり山菜を摘みながら下った 釣りは不満が残ったが、山菜採りは予想以上の成果があった |
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モミジの葉を一杯に広げたシドケ 全草が鮮やかな緑に輝く山の野菜たち 一本一本、腐葉土の中にナイフを突き刺し、根元から切り取る |
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山菜は、本格的なシーズンに突入 一箇所に群がって生えるアイコの群落、四方を探せば、至る所に芽を出していた 斜面をジグザクに下りながら夢中で採取する ポケットから取り出した買い物袋は、ほどなく一杯になった |
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大きな葉を持つスミレサイシンは満開状態 食用の草花だが、写真に撮るだけにとどめる |
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山菜が生えていた斜面に顔を出したサルメンエビネの若芽 山野草ブームで激減したと言われるエビネだが この森には、意外にもたくさん生えていた・・・それだけに大切にしたいと思う |
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渓畦林のブナは、萌え出たばかりの若芽が一斉に芽吹き 渓を吹き抜ける風に揺れる姿は実に美しい 聖なる飛沫のマイナスイオンを浴びながら春爛漫の夢心地に浸る |
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採取した極上のシドケをサイズごとに束ね、現場の小沢を背景に撮る 採り立ての山菜が、清冽な飛沫を浴びて清々しさが際立つ 鮮やかなモミジの緑葉と太い根元の薄紫色が食欲をそそる |
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アイコの若芽は、全草柔らかく食べられる だから茎の途中で折ってしまえば、最も美味しい根元部分を採取することができない 若いアイコは、土の中に入っていた根元から折り取るのが最大のコツ 根元の茎ほど、赤紫色と白が鮮やかで、写真のように見た目も美しく美味い ただし、茎が高く伸びてしまったら、根元部分は硬くなる だから、簡単に折れる茎の中間部から採取する これは全ての山菜に共通する採取の際のポイントだ |
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旬の山菜を、焚き火で沸騰した鍋に塩をひとつまみ入れ湯がく 再び沸騰したら素早く鍋から取り出し、渓流の冷たい流れに浸す 数本、根元をそろえて束ね、葉の水分を手で絞ってから、食べ易い長さに切る |
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左の皿の上の一列はホンナのお浸し、二列目と三列目は、シドケのお浸し 右のコッフェルは、一本一本皮を剥いたアイコのお浸し この上ない山の野菜の料理が完成した |
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沢の上流部の湧水が湧き出る斜面に群生していたクレソンは 水洗いをするだけで、生のまま食べられる 岩魚の刺身の薬味として、生サラダ感覚で食べる |
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食べきれないほど採取した山菜は、清冽な小沢に浸したまま一晩保存する こうすれば、採り立ての旬を保つことができる 売るほど生えていた森の恵みを摘む・・・ 山の恵みに感謝を込めてできるだけ美しく撮ることを心掛けたい ・・・(つづく)・・・ |
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