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2007年6月上旬・・・タケノコシーズンは山釣りの最高の季節
本来なら数泊の山ごもりをしたいところだが、連続した休暇がとれない
かと言って、十和田・八幡平や玉川など、タケノコ銀座じゃつまらない

一方、人跡稀な秘渓のタケノコ林は、どこも奥の源流部にある
ならば、竿を担いでタケノコ林を探ることに
(写真:タニウツギの花が満開に咲き誇る谷)
予報は、丸一日雨マーク・・・タケノコ採りや撮影には最悪のコンディションだったが
岩魚釣りには最高の釣り日和・・・予想どおり入れ食いが続いた

▼オオワライタケ(毒)
立木に群がって生えていた美しいキノコが眼に止まった
一見、チャナメツムタケやヌメリスギタケのように食用のキノコに見えた
雨に濡れた倒木にもびっしり生えていた

傘はまんじゅう形からほぼ平に開く・・・表面は黄金色で細かい繊維紋がある
ヒダは、明るいサビ色で根元が太く、いかにも美味しそうなキノコに見える
食後10〜15分くらいで震え、寒気、めまいなどの症状が・・・
さらに多量に食べると、その名のとおり精神の異常興奮、狂騒状態に陥るという
雨が降り続いていたので、沢の中間部まで歩き竿を出す
ポイント毎に岩魚は竿を絞り続ける・・・次第に雨が降っているのを忘れるほど岩魚釣りに夢中となる
やっぱり岩魚は、釣り人を狂わす魔力を持っている不思議な山魚だ

デジカメで撮影しようにも、降り続く雨の中では、谷は暗く、光りが足りない
やむなくISO感度を800にセットし撮る・・・やっぱり画像が粗く、不満な画像しか撮れなかった
▼ウスヒラタケ・・・タケノコ汁に入れると美味い
▼苔生す庭園を釣り上がる
渓に張り出したカエデやタニウツギの花々、サワグルミ、ブナなどが谷を覆い尽くすように林立している
点在する巨岩の間を聖なる水が飛沫を撒き散らして落走・・・
その飛沫を浴びて、ダイモンジソウや分厚い苔が瑞々しさを誘う
連続する釜の瀬尻には、岩魚が悠然と上流から流れてくるエサを待っている
不用意に近付けば、瀬尻から5〜6匹もの黒い影が走る
魚影の濃さに改めて驚かされる
釣り上げては、岩魚を浅瀬に泳がせ、デジカメを構える
だが、光量不足で、ことごとくブレてしまう・・・手振れ補正機能も暗い谷では歯が立たない
ISO感度を上げると、ブレを防げるが、画質に不満が残る
動き回る岩魚を三脚を据えて撮れば、主役の岩魚がブレてしまう
上の画像は、全てISO感度800で撮影・・・いずれも画質が粗く、記念撮影的な画像にしかならない
安易にISO感度を上げて撮影するのは×

▼前モデルのLUMIX DMC-FZ20と新モデルのLUMIX DMC-FZ50の比較
ズーム倍率は同じ12倍だが、前モデルの方が全域F2.0で明るい
新モデルは、常に首にぶら下げて遡行するには重量が重く、機動性に欠ける
新モデルは、デジカメ全体のバランスが悪く、手振れを起こし易い
新モデルは、山野草をマクロ撮影をすると、ピントが手前ではなく奥に合い易い・・・
新モデルに期待していたが、従来の操作感覚で撮影する限り不満だけが目立つ・・・
ただし、機能アップしている部分(MF撮影等)を使いこなさないと総合的な判断はつかないが・・・
雨が止み、谷が明るくなると、何とか絵になる岩魚が撮れた
側線より下に鮮やかな橙色の斑点を持つニッコウイワナ
丸々と太っている魚体から、岩魚の旬を迎えていることが分かる
▼雨に濡れたオオバミゾホオズキ
沢沿いの湿った所に群生する黄色の花
正面から見れば唇形の花で、横から見るとラッパ状に咲く
初夏ともなれば、沢筋は草木が伸びて薮と化す・・・そんな中でも一際目立つ草花だ
▼釣り上げた岩魚は、編み袋に入れ、生かしたまま釣りあがる・・・釣りの効率は格段に落ちるが、初夏から夏の暑い季節は、こうしないと肝心の味が格段に落ちる ▼マムシグサ・・・蛇嫌いの私は、この草を見るとドキッとするほど気色悪い。特に暗いところに生えているので、なお更だ。
雨のお陰で岩魚は入れ食い・・・何と9時を過ぎたところで持参したエサがなくなった
川虫を採取する方法もあるが、これは「無用な殺生は止めろ!」というサインだろう
竿を納めて、チシマザサが生い茂るタケノコ林へ
▼オクヤマガラシ・・・沢沿いの湿地や流れの縁に咲く。小葉が2〜4対あるのが特徴。 ▼コンロンソウ・・・沢筋の湿り気の多い場所に生え、ワサビの白花に似た花をつける。
▼オドリコソウ・・・花の形が笠を被った踊り子の姿をしていることから、その名がついた。暗い薮の中でも、よく目立つ草花。
▼ズダヤクシュ・・・花は白いガク片で、斜め下向きに咲く。特に茎の先端に数十個もの花をつけ美しい。葉は浅く5列する。 ▼タニウツギ・・・この花が満開になると、タケノコは終わりを告げると言われる。
▼ブナ林とチシマザザ群落
日本海側のブナ林は、チシマザサ-ブナ林、太平洋側ではスズタケ-ブナ林と呼ばれている
フナ林が広がる谷の源流部・・・上の写真のように谷沿いの林床にチシマザサが繁茂している
山釣りでは、遡行者を苦しめる笹薮だが、タケノコのシーズンだけは山の幸に溢れている
ただし、ツキノワグマはこうした場所をテリトリーにしているので注意が必要だ
▼タケノコ
チシマザサの薮に入ると・・・何と旬は過ぎてナギナタになっているではないか
来るのが一週間遅かった・・・やむなく、ナギナタの柔らかい先を採取しながら薮を彷徨う
至る所にクマが歩いた道がついている・・・でも安心だ
クマは、旬のタケノコを求めてもっと標高の高い竹薮に移動しているからだ
▼採取したタケノコと赤ミズ
ナギナタと化したタケノコでも、先っぽは軟らかい
右の写真は、皮をむき軟らかい部分だけ選別したもの
ただし、若いタケノコと違って捨てる部分が圧倒的に多い・・・約2/3は捨てただろう
しかし、採りたてのタケノコ汁は、香りが抜群で美味いことこの上ない
▼フキ
成長したフキは今頃が旬・・・ナイフで切り取ると、中から水が滴るようなミズブキが美味い
旬の頃は、虫に食われている場合も少なくない・・・必ず茎の穴を見て確認するのがコツ
フキはアクが強い・・・塩をひとつまみ入れた熱湯で茹で、冷水に一晩さらす
皮を剥き、適当な長さにスライスしてから調理する
ごま油でベーコン又は豚肉と炒め、万能つゆを入れて味付けをすれば、簡単かつ美味
▼ヤマワサビ
白い花が終わると、葉も茎も一際大きくなる
この頃は、周りの草木が伸びて発見が難しくなる・・・従って、ワサビ群落は頭の中にインプットしておくこと
根っこを手で探り、大きなものだけを数本採取する
▼マザーツリー発見
沢を歩いているだけでは、流域に広がる森の主・マザーツリーに出会う確率はゼロに近い
タケノコを探して笹薮を彷徨っている時だった・・・緩やかな斜面に仁王立ちしたマザーツリーに出会う
根元から幹の上部まで分厚い苔に覆われた巨木を見上げる
久々に見る300年ほどのブナ・・・老木だが実に若々しいブナで姿・形が実に美しい

カメラを濡らさないために、ザックごと沢に置いてきたことに気付く・・・
普通なら撮るのは諦めるのだが、何としても撮りたい衝動に駆られる
カメラを取りに沢まで戻り、再び笹薮をこいでマザーツリーの根元へ
それにしても見事なブナだ・・・角度を変え、何度も見上げてはシャッターを押し続けた
小沢沿いに広がるミズの群落
ミズの下に生えている丸い葉はヤマワサビ
▼ミズ(ウワバミソウ)
山ごもりでは、年間を通してお世話になっている貴重な山菜の筆頭
根が太く、赤味の強いものを選んで採取するのがコツ
全草利用できるが、一般に葉は切り落として茎だけ利用する

塩をひとつまみ入れた熱湯で茹でると、赤味が消え、鮮やかな緑色になる
少々面倒だが、一本一本皮をむいてから調理することを忘れずに
一般に太い根は、すりつぶしてトロロに、それ以外は味噌汁の具やおひたし、一夜漬けが美味い
▼ダイモンジソウの若葉
岩魚を追いながら沢を歩けば、いつでも採取できる
ただし、これより美味しい野菜は山ほどあるので食指がのびない
天ぷらや和え物、酢の物が美味いらしい
▼ヤグルマソウ
最大の特徴は、葉がでかく、5つの葉が鯉のぼりに添える「矢車」に似ていること
花は白花を円錐状に多数付け、美しい・・・林道沿いや沢筋の薮の中で良く見掛ける大型の草花
▼フジの花
初夏、深緑に藤色の花の群れは、遠くからでも良く目立つ
八分咲きのフジの花を摘み、ビールに入れると甘い香りと微かな糖分が溶け込み、美味いらしい
花の天ぷらもなかなかいけるとのこと・・・いつか利用してみたい花の一つ
▼ヤマアジサイ・・・葉は長楕円形でも葉の先が尾状に尖る。葉の縁に鋭い鋸歯があるのが特徴。白から淡い青色の装飾花が美しい。 ▼アズキナシ・・・枝先に5弁の白花を咲かせる。果実がアズキのように小さいことから「小豆梨」。
▼ホウノキの花・・・葉もデカイが、花もデカイ
▼トウキ・・・漢方薬として利用されるセリ科シシウド属。葉がセリに似ており、白花はシシウドの花に似ている。 ▼トチノキの花・・・枝先に、大型の白黄色の花を上向きにつける。この花が咲く頃、ミツバチも活発に活動し、「栃の木ハチミツ」で名高い。
▼ハナニガナ
林道沿いに咲いていたものだが、鮮やかな黄色が美しい
舌状花は8〜11個・・・これに対しニガナは、5〜7個と少ない
一週間後の週末、好天に誘われて、新デジカメのテスト撮影に再び挑戦・・・
いきなり、ウスヒラタケの群生に出くわす
川虫を採取し、岩魚を釣り上げては撮影のテストを繰り返す
サワモダシ(ナラタケ)の群生にも出くわす
初夏のキノコ採りは、偶然の出会いを期待しているだけだが、実にラッキーだった
しかし、クマの痕跡がやたら多く、既に「草食い」の季節がやってきたようだ・・・(次回更新予告)

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