和賀山塊八滝沢1 和賀山塊八滝沢2 和賀山塊八滝沢3 山釣り紀行TOP
シャワークライム、堀内沢遡行図、源流・魚止めの主、八滝沢遡行、ウスヒラタケ エゾアジサイ、カワゲラ、ヤマブキショウマ、ミヤマカラマツソウ、八滝沢の岩魚・・・ |
2006年夏、連日30度を超す猛暑が続いていた。 山釣り馬鹿二人は、和賀山塊の盟主・和賀岳を源流とする八滝沢をめざした。 汗に群がるアブの大群・・・余りのむさ苦しさに和賀岳山頂(1440m)をあっさり断念。 やっぱりクソ暑い夏の沢遊びは・・・ 滴る汗を一気に吹き飛ばすシャワークライムと清流に棲む岩魚釣りが最高だ。 とは言うものの、人の好みは十人十色 谷では、薮こぎが続く沢登りパーティにやたら出会った。 |
▼堀内沢遡行概念図 コースを聞けば、生保内川〜羽後朝日岳(1376m)〜朝日沢下降組、あるいはマンダノ沢下降組。 マンダノ沢〜羽後朝日岳〜朝日沢下降組。 八滝沢〜豆蒔沢〜和賀岳稜線〜小沢下降〜マンダノ沢〜羽後朝日岳〜朝日沢下降組・・・ いずれも登山道のない羽後朝日岳に人気が集中しているようだ。 ▼コース・・・堀内沢車止め〜朝日沢出合〜お助け小屋C1〜八滝沢〜豆蒔沢出合〜標高700mC2 〜魚止め5mナメ滝〜八滝沢大滝10m・標高940m〜C2〜860m尾根〜分水尾根下降〜お助け小屋C3 |
憧憬の魚止めの滝壷・・・ 久々に、ズシリと重い「魚止めの主」と出会う。 深山幽谷の主に相応しい風格・・・鼻曲がりのオス岩魚に感激はクライマックスに達した。 滝また滝が続く険谷に、繰り返し繰り返し岩魚を移植放流した仙北マタギに感謝し、撮影後リリースした。 |
久々に渇水の堀内沢を遡行・・・ 平水なら巻かねばならない場所も、ラクラク沢通しに歩くことができる。 遡行してまもなく、岩魚釣りを楽しむ中高年夫婦に出会った。 聞けば、朝早くに4人の沢登りバーティが先行していったという。 夫婦で岩魚釣りとは・・・何とも羨ましい光景だった。 |
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▼タマアジサイの白花 花期は8〜9月、谷川沿いに多く見られる。 |
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▼朝日沢出合(車止めから約3km、標高270m) かつて、この沢には、通称「朝日小屋」と呼ばれるマタギ小屋があった。 一帯は、「朝日の狩場」と呼ばれ、旧角館町雲沢マタギの猟場であった。 |
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強い陽射しにギラギラと輝く堀内沢の流れ 首に巻いていたタオルを冷水に浸し、顔を拭えば気持ちいいことこの上ない。 |
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▼ワニ奇岩上部から下流を撮る ひとたび増水すれば、渡渉が困難となる難所の一つ |
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▼ウスヒラタケ この下にもびっしり生えていた。 先行した4人の沢登りパーティは、このキノコに気付かなかったのだろうか。 丁寧に採取し、お助け小屋で味噌汁に入れて食べた。 肉質が軟らかく、歯切れがすこぶるいい。 山で食べる山のキノコに勝るものナシ。 |
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▼三角錐の岩 ここまでくれば、マンダノ沢と八滝沢が合流する二又も近い。 |
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▼400m二又付近(車止めから約5km) 一帯はブナの森に覆われ穏か・・・テン場は右岸に三ヶ所もある。 この二又から上流は、渓相も一変、険しい谷となる。 いきなり険谷に入らず、ぜひ一泊したいところだ。 |
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▼カワゲラ お助け小屋に荷を下ろし、今晩の薪を集める。 今冬の大雪でなぎ倒された倒木が沢を埋め尽くしていた。 雪崩の凄まじさが伝わってくる。 まだ日は高かったが、今晩のオカズ調達に出掛ける。 瀬の石をひっくり返すと、大型のカワゲラが4匹も入った。 |
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▼階段のゴーロが続くマンダノ沢 渇水の真夏ほど難しい釣りはない。 さらに沢登りの人たちが歩いた後だ。 予想していたとは言え、岩魚のアタリは全くなし。 岩魚がいなくなったのでは・・・と思うほど岩魚の影すら見えなかった。 一転、雨が降れば、岩魚が岩から湧いてきたように活性化するのだから不思議だ。 |
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薄暗くなってきたので、マンダノ沢を諦め、八滝沢に入る。 この沢は誰も歩いていないらしく、すぐにアタリがあった。 腹部が鮮やかな柿色に染まったニッコウイワナだ。 30分程で4尾をキープし、お助け小屋に戻る。 |
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▼岩魚料理(キープした岩魚は6尾) 岩魚の刺身に3尾、三枚におろしてムニエルに1尾、塩焼きに2尾 途中で採取したキノコ料理をツマミに、ウィスキーの水割りで乾杯 久々の源流酒場に酔いしれ、飲み過ぎてしまった。 これじゃ、酒が足りなくなる・・・まぁ、いっか。 |
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▼八滝沢F1の滝 二日目・・・八滝沢を遡行し、難所がなくなる豆蒔沢上流にテン場を構える予定。 八滝沢下流部は、マンダノ沢に劣らず、急なゴーロの階段が続く。 |
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▼F1から下流の山々を望む 奥の山のピークは856m峰、その左のなだらかな尾根は「天神長根」 その手前の谷が支流オイの沢、陰の谷はシャチアシ沢 この稜線から谷底のお助け小屋に至るルートは、急峻で「十分長根」と呼ばれている。 針葉樹と広葉樹が入り混じった独特の山並みは、奥羽山脈の特徴だ。 |
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▼ヤマブキショウマ 葉の先が尾状に尖り、卵形 葉の形がヤマブキに似ていることから、その名がついた。 茎の先端に5花弁の白花を糸状につける。 沢沿いで見かける白花で似ている種は、チダケサシ、ヤグルマソウ、オニシモツケ |
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苔生す岩の階段をゆく 累積した岩に生える草花たちは、猛暑が続く陽射しに干乾びていた。 |
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平水なら数条の帯となって流れる下る急峻な沢だが 今は、一条のゴーロ滝に過ぎない。 巨岩を攀じ登るより、飛沫を浴びて登るほうが快適だ。 |
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屹立する岩壁の向こうにF2の滝が行く手を阻む | |
▼F2の滝 滝頭の右を直登しようとしたら、頭から聖なる水をかぶってしまった。 少々面倒だが、急峻な右の斜面を大きく高巻く。 巻きながら、眼下に見えるF2の滝を見下ろしながら、 滝を直登すべきだったと悔やむ。 |
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▼F2の滝上流 累々とした巨岩の谷をゆく ほどなく谷は狭まり、小滝が連続している。 |
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腰まで八滝沢の冷水に浸る 滴る汗がスッーと引くほど冷たく、身が引き締まる。 |
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滑り台を落走する滝の飛沫を浴びて登る ピンソールを着けたまま遡行すれば、濡れた巨岩の上は意外に滑り易いので注意。 |
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▼F3の滝 滝壷は深く、すぐに腰上までくる。 空身で登ろうとしたが、落差の大きい巨岩を乗っ越すのは難しい。 またまた高巻きのアルバイトを強いられた。 |
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▼小滝が続く八滝沢 | |
八つの滝を越えると、一転、谷は穏かとなる。 標高約700m左岸の高台にテン場を構える。 |
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▼ミヤマカラマツソウ これに良く似た花は、モミジカラマツ、カラマツソウ |
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▼八滝沢の岩魚 側線前後に橙色の着色斑点をもち 頭から背、尻尾にかけて黒っぽく 腹部は濃い柿色に染まった独特の居着き岩魚だ。 |
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真夏にもかかわらず、顔が黒くサビついた岩魚 二人で6尾をキープした所で納竿 焚き火を囲み、源流酒場が開宴する頃には、大粒の雨が降ってきた。 やむなく、テントの中で酒を飲む。 富栄養化でアオコが大発生していた八郎湖の大騒ぎも きっと納まったと思ったのだが・・・知らぬが仏状態だった。反省!、反省! ・・・続く・・・2006年8月19日記 |
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