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ブナ林の黄葉、ナラタケ、ナメコ、ムキタケ、岩魚の恋のダンス・・・
 10月下旬、黄色く色付き始めたブナ林で、2004年最後の山ごもり。今年は天候不順で、どうなることかと心配したが、ブナの森は、例年以上に、黄葉も岩魚の恋もキノコもクライマックスを迎えていた。台風や天候不順が続く中、唯一天候にも恵まれた。会結成20周年の最後を飾るにふさわしい感動の山ごもりだった。
 岩魚の恋のダンス。昨年に続き、今年も産卵前の恋のダンスをじっくり観察することができた。降り積もった落ち葉、水面に波紋を描きながら舞い続けるペアの岩魚・・・岩魚バカにとって、これほど感動的なシーンはない。
 ヌメリが滴るナメコ・・・ブナ林の黄葉の季節を代表するキノコと言えば、ナメコとムキタケ。これに季節外れのナラタケが加った。いつも出会うブナハリタケは、既に終わりを告げていた。豚肉、芋の子、ネギを背中に担ぎ、せせらぎの音を聞きながら食べるキノコ鍋は、美味さ百倍。

 山の朝は、殊の外冷え込みが厳しい。雲の流れもやたら速い。車止めで着替えをしていると、小雨が降ってきた。雨具は、上下とも着込み、黄葉に染まった大川をゆく。もちろん、キノコを探しながら・・・。(小雨が降っていたので、一眼レフデジカメは背中に担ぎ、防水機能を持つSony Cyber-ShotUで撮影)
 昨年は、ほとんど腐っていたナラタケが、なぜかたくさん生えていた。こうした珍現象は、今年の天候不順を象徴する一つのように思う。
 手前は、まだ黄葉が始まったばかりだが、奥に入るに連れて、錦秋の森へと変化する。それに連れて、ブナの風倒木にムキタケ、ナメコも顔を出す。
 いつも大量に群生するムキタケ。
 左:ブナシメジ 右:ナメコの幼菌
 瀬尻に岩魚を発見・・・何とか写っていた一枚。この沢は、キノコだけでなく、岩魚ウォッチングを楽しみながら遡行できるだけに、楽しい。
 黄葉に染まったバンドリ沢にテンばる。ブルーシートを張ったが、谷から吹き下ろす強風に煽られ、結び目を簡単に切られてしまった。幸い、雨も上がり、天候は回復の兆しが見えたので、ブルーシートを張るのを諦める。ここから一眼レフデジカメで撮影。
 左岸の倒木に群生していたムキタケ。ちょうど食べ頃サイズ。やはり、キャノンEF28-78mm 2.8LUSMのレンズだと、背後のボケが美しい。でもこのレンズは、春先の山で岩にぶつけてしまい、オートとマニュアルを切り替えるボタンがすっ飛んでしまった。穴の開いた部分をガムテープで応急処置したレンズを見ていると、いつ使用不能に陥るか・・・ハラハラ、ドキドキしながら使っている。
 斜面でキノコを撮影していると、上流から袋一杯にキノコを手に持った男が下ってきた。「どうも」「あれっ、もしかして菅原さんじゃないですか」「はい、菅原です」「いつもホームページ見てます。どこかで会えると思っていました」・・・弘前に住む釣り好きで、今日は、青鹿沢でナメコとムキタケを採ってきたという。こういう地元でかつ白神好きの人に、山釣りのホームページを介して声を掛けられるというのは、心底嬉しく思う。
 幹は折れてしまったが、斜面に根を張り、今なお踏ん張るブナ。その根元に生えていたムキタケ・・・倒木や流木より、こうした立木に生えているキノコの方が絵になる。
 ついでに縦構図で撮影したムキタケの写真二枚。ムキタケは、上部が大きく、光が乏しい根元にいくほど、小さい。
 苔生した根元部分のアップ・・・可愛らしいムキタケの幼菌が渦巻くように列をなしている。群生の姿、形、大きさ、配列・・・どれ一つとして同じものはない。実に多様性に富んでいる。だから、写真に撮るだけでも、無限の楽しみがある。
 左:黄葉が始まったばかりのブナの巨木。
 右:苔生す倒木に生えたムキタケを採る。キノコを一つ一つ丁寧に採るには、カッターナイフあるいは小型のフィッシング用ナイフがベスト。虫の付いた腐りかけのキノコ、小さなキノコは残し、倒木を傷つけないよう採取すれば、来年も生える。ただし、洪水や雪崩などで、風倒木あるいは菌そのものが流されたりするのも日常茶飯事。昨年いい思いをした倒木をめがけて行っても、姿、形もない・・・といったこともしばしば。
 二股の河原で昼食。ミニラーメンとオニギリをほおばった後、仕上げにコーヒーを飲む。その時だった。背後で突然「バシャッ、バシャ・・・」と、何か暴れているような音がした。振り向くと、水面から岩魚が飛び跳ね、相手に食いつくような激しいアクション・・・まるでオス同士のケンカのように見えた。ところが、よく見ると、それは産卵を前にしたオスとメスの熱愛ダンスだった。
 昨年、観察した求愛ダンスは、お互いに寄り添い、相手のお腹を突き合うような優しいものだった。今回見た求愛ダンスは、水面を突き破り、宙に舞い、反転しながら一気に水中へ飛び込み、相手に噛み付くような激しいものだった。しかし、次第に、お互い寄り添いながら、優しい求愛ダンスに変わった。
 落ち葉が舞い散る岸辺で、お互い優しく絡み合うと、水面に波紋を描く。ペアは、共に寄り添いながら輪を描くようにゆっくり泳ぎ回る。中村会長も、この貴重な瞬間を撮ろうと、あわててザックからデジタルビデオを取り出す。ズーム撮影に成功したようなので、後日見るのが楽しみだ。このペアは、まだ産卵床を掘っていなかった。恐らく、その前段の相思相愛を確認する求愛ダンスだったように思う。
 相手が岩陰の上流から戻ってくるのを待つ岩魚。こうした岩魚の求愛ダンスを撮影するには、100mm程度のズームでは力不足。なぜなら、不用意に近付いたり、いきなり立ったりすれば、岩魚に気付かれ、逃げられてしまうからだ。安全な距離をとり、ズームアップするには、300mm〜500mm程度の望遠レンズが必要だ。高倍率で手ブレ補正付きのデジカメがあれば、こんな感動的シーンも楽々撮影できるだろう。・・・パート2に続く・・・

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