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仙北街道沿いの栃川探索行
 仙北街道沿いに流れる沢が、小出川支流栃川である。一帯はブナ、サワグルミ、トチノキ、カツラなど広葉樹の原生林に覆われ、のんびり散策するだけでも楽しい。深い森に包まれた穏やかな流れには、橙色の斑点が鮮やかなニッコウイワナが生息している。曇天の一日だったが、竿を担いでのんびり栃川を探索してみた。
栃川の名前の由来は?
 秋、栃川を歩けば、その名前の由来がすぐに分かる。上の写真は、沢に大量に落下したトチの実。見上げれば、巨大なトチノキが至る所に林立している。
 河原に落下していたトチの実。光沢のある赤褐色で、すりつぶしてトチ餅などの材料として利用されている。
 トチノキ・・・上の写真はトチノキの巨木。日本に自生する樹木の中では、大木になるものの一つ。くり抜いて臼をつくれるほどの太さになる。樹皮は灰褐色で、老木になると割れ目ができる。葉は大型の掌状複葉で対生し、ふちに鈍い重鋸歯がある。
米もキノコもブナの実も不作
 ヒラタケ・・・ブナの根元に生えていたヒラタケ。しかし、食べられるキノコはこれだけだった。
 ブナの風倒木・・・こうした光景は至る所で見掛けたが、キノコの気配はなかった。岩手の水稲作況指数が77(著しい不良)では、キノコも期待できない。ちょうど10年前、海外から米を緊急輸入するほど大不作だった年は、キノコも大不作。やはり、自然の力には勝てっこない。
 立ち枯れしたブナの幹に群生していたツキヨダケ。キノコが不作の年には、毒キノコも極めて稀にしか生えていなかった。

 ブナの実も不作・・・冷夏の影響で、ブナの実も不作。東北森林管理局青森分局の調査によると、今年は「凶作」か「皆無」とのこと。青森では、好物のブナの実が不作で、クマが民家近くに出没、トウモロコシ、リンゴ、桃、養蜂箱などの被害が増加している。約70頭の乳牛に与える2ヶ月分のトウモロコシ5万本が食い荒らされた大規模な被害も出ている。
 栃川沿いの古道は、左岸から右岸、右岸から左岸へと数箇所渡渉を余儀なくされる。従ってこの古道を歩くには、登山靴は×なので注意。ただし横断箇所には、写真のように赤や青の目印があるので迷うことはない。
 栃川のイワナと遊ぶ・・・ブナの森、小滝と壷から連なる渓を釣る。4人で釣り上るには、ちょっとキャパシティが小さいが、古道、景観、山野草、山菜、キノコなど、それぞれ思い思いに道草しながら進めば、それなりに楽しいものだ。ちなみに私は、カメラのみに専念したが、これまた楽し、楽し・・・であった。
 側線より下に橙色の斑点が大きく、上の白い斑点が鮮明な特徴を持つニッコウイワナ。壷の深場に潜んでいたせいか、顔はやや浅黒い。
 斑点が小さく不鮮明な個体。サイズは8寸余りで、まずまず。
 スナゴケ・・・河原や日当たりの良い砂質の土、岩の上などに群生する。湿った場所なら直射日光が当たるような岩場にも生える剛健さが特徴。園芸用のコケとしても有名。
 日当たりの良い岩場に、こんもりとしたコロニーをつくるスナゴケ。大きな岩場一帯に群生する様は、天然の造形美の一つ。
 「女釣り師、栃川源流をゆく」の図・・・深場の渡渉をものともせず、静かにポイントへアプローチする美和ちゃん。だが、意に反して小物のイワナに邪魔されるケースが目立った。
 チビイワナちゃんとニラメッコ・・・もちろん、優しく針を外してリリースを繰り返す。サイズはともかく、相手をしてもらえただけでも感謝!感謝!
 秋の渓谷定番、ダイモンジソウのアップ・・・この花の魅力は、清冽な飛沫を好み、小さな花にもかかわらず、毛筆体で「大」の字に咲く姿だ。「小さな巨人」とでも呼びたい草花で、いつも心惹かれる。
 苔生す岩に群生していたダイモンジソウ。
 飛沫に濡れた岩場に生えていたダイモンジソウ。イワナが隠れているような岩場には、決まってダイモンジソウが生えている。言わば「清流=イワナ=ダイモンジソウ」という図式が成り立つ不思議な草花だ。
 ポイントへのアプローチ、低い姿勢は○だが、仕掛けをもうちょっと遠くへ飛ばす練習が必要だろう。つまり、イワナがいるポイントの真下に落とすのではなく、その1m〜2m程度上流へ流せば、もっともっと釣れるように思うのだが・・・。
 チョウジギク・・・沢沿いでよく見掛ける花だが、大型で一度見たら忘れられないほど個性的な山野草の一つ。白い毛が細く密生し、黄色の花が横向きに咲く。和名は、細い柄についた頭花の形が、香料にする丁字(ちょうじ)の花の形に似ていることから名付けられた。
 ツナギ沢入り口のナメ滝。仙北街道は、この滝の右岸を大きく高巻くように、ツナギ沢左岸にある。本日は、この沢を上らずに、栃川大滝をめざす。
 イワナの水中撮影・・・勘で何枚も水中撮影したうちの一枚。側線より下の橙色の斑点が鮮やかで大きいのがお分かりだろうか。こうして水中から覗けば、陸とは違ったイワナの美しさがある。
 別のイワナを正面から撮る。ちょっと被写体が近すぎて、ストロボの光でイワナが反射してしまった。さらに、レンズの角度が悪く、ピントがイワナではなく、水面に合ってしまった。液晶画面で確認できないから、デジカメをただ水中に突っ込んで撮る難しさを痛感させられる。
 秋の定番、猛毒の美・トリカブト
 小滝が連なる栃川をゆく。イワナは、ほどほどに釣れるが、なかなかキープサイズが釣れない。それでものんびり、まったり釣り歩く。
 オニシオガマ・・・山中の古道沿いや栃川沿いに咲いていた。丈は40〜80センチと高く、花は、淡い紅紫色で唇の形をした花をまばらにつける。茎には白い産毛のような軟毛があり、根元の葉は、アザミに似たキザキザの形をしているのが印象に残った。
 壷は大きく、いかにも大物が潜んでいるように見えるが・・・得てして、こうした大場所は、小物が多い。
 上の壷で釣れたイワナ。腹部の橙色、側線より上の白い斑点、下の橙色の斑点が共に鮮明だ。口も橙色に染まった典型的な源流イワナ。オスとは言え、やや痩せた印象を受ける個体だ。
 こうして背後から撮影したイワナの水中撮影を見ると、各ヒレは飛行機の翼のように見える。腹部、胸ヒレ、腹ヒレ、尻ヒレ、尾ヒレが鮮やかな橙色に染まっているのが分かる。
 ウメバチソウ・・・枝沢が合流する日当たりの良い岩場に群生していた。清楚な印象を与える花の一つ。花は白色で、梅の花に似ている。葉身は円形で、根元が心形となる。
 オヤマリンドウ・・・深山に生える日本特産の多年草。紫色の花は、茎の先端に数個つく。
 ハンゴンソウ・・・栃川の枝沢源流に咲いていた。高さは1m以上と大きく、葉が羽状に深く裂けているのが大きな特徴。

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