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ブナの高台を降り、沢へ戻る。右岸の倒木にキノコが群生しているのが目に飛び込んできた。一面、ムキタケ、ムキタケ・・・が連なっていた。 |
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全く虫がついていない絶品のムキタケ。熱い味噌汁、鍋物の具にすれば、ボリューム満点でツルッとした舌触りが堪らない。ただし猫舌の方は、特にノドヤケにご用心。ナイフで丁寧に切り取り、買い物袋に入れると、あっと言う間に一杯になる。採るのも楽しいが、その造形美を撮るのもしこたま楽しいキノコだ。 |
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ブナハリタケ・・・このキノコは、ブナの倒木に群生する代表的なキノコの一つで、遠くからでも白く光って見えるので見つけやすい。今年は、冷夏のせいか、群生の規模が小さいように思う。写真のように倒木の横から生える場合を「側生(そくせい)と呼ぶ。 |
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ブナハリタケは、傘の下面に針がビッシリ生えた白いキノコで、成熟するとキノコ特有の甘い香りを放つ。 |
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ムキタケと同様、ナイフで丁寧に切り取る。特に水気を多く含んでいるので、両手で水分を絞り出すことを忘れてはならない。1週間も秋晴れが続いたから、さぞかし水分も少ないだろうと思ったが、意外にも絞ると水が手から滴り落ちるほど多かった。ブナ林は、いかに湿度が高い森か、一目瞭然だった。 |
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沢の奥に入るに従って、ナメコの姿はほとんど見掛けることがなかった。恐らく、今年のナメコのベストシーズンは10月下旬頃からだろう。幸い会の最後のイベントは、10月下旬「白神・黄葉とキノコ狩り」を予定しているだけに、期待がもてそうだ。 |
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色付き始めた巨木を見上げる。どうもブナ林の黄葉の進度を読むことは、キノコの種類、旬を知る重要な尺度のように思う。それだけに目に焼き付けておきたい光景だ。 |
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またもムキタケ、ムキタケ・・・。見飽きるほど、ムキタケの群れに出会うが、その造形美は一つとして同じものがなく、「採らずに撮る」を繰り返す。 |
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「もったいねぇ」と言いながら、良品だけを間引くように採取を繰り返す。 |
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小滝が連なる上から俯瞰する。ゴツゴツした一帯の岩盤から垂直に落下する小滝の飛瀑、正面の黒い岸壁からも湧水が滴り落ち、心の中まで潤う。 |
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サワモダシ(ナラタケ)・・・昔から味噌汁や鍋物の材料として最も利用されてきたキノコの代表。名前のとおり沢沿いに多く生え、簡単かつ大量に採取できる。一般に渓流釣りで一番最初に出会うキノコ。旬は9月。 |
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10月ともなれば、ほとんど腐っていたが、珍しく食べ頃のサワモダシを見つける。ポロポロと崩れやすく見栄えは余りよくないが、味は最高だ。 |
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高度が増すと、次第にブナ林も黄色に色づいてくる。渓流に落下した落ち葉に、深まり行く秋、迫り来る雪国の冬の到来を予感させる。 |
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苔生す巨岩怪石が連なるゴーロ連瀑帯を撮る。雲ひとつない快晴だが、鬱蒼としたブナ林に覆われ、渓は殊の外暗い。フィルターなしでも1/2〜1/8程度のスローシャッターで撮影できた。 |
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清冽幽玄の世界をズームアップで撮る。キノコ狩りを忘れるほど美わしい光景が続く。 |
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巨大なシイタケ・・・野生のシイタケは、一般に春に見掛けることが多く、傘の表面がひび割れている。秋に生えるシイタケは、表面にひび割れもなく、これがシイタケか?と疑うほど巨大になる。塩をふり焼いて食べると美味い。 |
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ちょうど旬のサワモダシ。最後に見つけた倒木には、ムキタケ、サワモダシが所狭しと群生していた。「ブナ林のキノコ狩り」のフィナーレを飾るにふさわしく、訪問者を圧倒する凄さだった。 |
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巨大な倒木一面を埋め尽くすキノコの群れ。何も高級品・マイタケでなくとも、度肝を抜くほどのキノコの群れに出会えば、心も舞い上がる。 |
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逆光でムキタケを撮る。この巨大なキノコの群れは、「またおいでよ、キノコの森へ」と言っている様にも見えた。ザックもあっと言う間に重くなり、ここでキノコ狩りのピリオドをうつ。10月下旬、ブナ林を代表するナメコの期待に胸が膨らむ瞬間でもあった。 |
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清冽幽玄な世界をバックに記念撮影。左は釣り吉・小玉氏、右が私。岩魚の恋の季節・・・ペアで泳ぐ岩魚たちを眺めながら、これ以上ないキノコ狩りに、二人とも満足、満足の一日だった。既に渓流釣りは終わったが、豊穣の森の楽しみはまだまだ続く。
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おまけの画像・・・ |
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ブナ林の宝石・ナメコ |
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エゾハリタケ・・・ブナの立木に発生。半円形の傘が多数重なり合い、白色から黄褐色を帯びる。料理は、一度塩漬けにし、塩抜きしてから味噌漬けで食べる。 |
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ブナ林とキノコ |
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色づきはじめた豊穣の森・ブナ
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